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2013-10-24 00:00
(連載)30年後の米国の東アジア関与(2)
鈴木 馨祐
衆議院議員
一面これは正しい。しかし、より大きな流れを見たとき、シリアへの軍事攻撃に関するアメリカ国内の様々な動きを見ても、あるいは、債務問題が極めて厳しい中で軍事費もその例外ではないという議論がされる中で、アメリカが世界に対して軍事的なコミットメントをこれまで通り続けていくことが、これまでほど当たり前ではなくなってきている、という点には注目しておく必要があると思われます。
5年10年ということではなく、数十年スパンで考えたとき、東アジアが優先順位の最上位に仮にあったとしても、東アジアでの軍事的プレゼンスを維持することすら困難となる事態も起こらないとは限らない、ということを我々は知っておく必要があります。事実、今回の訪米でも、予算の問題は、安全保障や世界との関わりといった従来のアメリカの根本的な政策に関しても、かなり深刻な影響を与えかねない問題との印象を受ける場面が何度もありました。その意味で、当面必要になってくるのは、日米同盟をより機動的に効果的なものとしてく努力です。日米が一体となった運用が出来るように、東アジアにおける安全保障に必要な範囲に関しては、我が国も法的にも装備的にも環境整備を行う必要があります。また、万一米国の軍事的プレゼンスが低下していった場合に、しっかりとした備えが出来るように準備をしておくことは必要です。
残念ながら世界の他の地域と比較して、東アジアにおいては中国、北朝鮮という軍備拡張に突き進んでいる国が存在し、かつその国々が実際の軍事的プレッシャーを高め緊張を誘発している状況にあります。この現実のもとでは我が国も日米同盟の更なる深化と充実に動かざるを得ませんし、それに加えて将来的なアメリカのこの地域へのコミットが充分担保できない可能性を考えれば、先入観を排して様々な検討をすることが必要です。
安全保障環境はいったん崩れてしまえば、経済や暮らしに極めて大きな影響をもたらします。そのようなことにならないよう万全を尽くす上でも、アメリカの将来的な動向については引き続き慎重に見極めることが重要ですし、日本も直接の働きかけが出来るプレーヤーとして、アメリカの東アジアへの関与をより維持できる方向に動く必要があります。また、日本一国だけではなくオーストラリアや台湾、ニュージーランドのような価値を共有する国々との連携を深めることも重要です。ガイドラインの見直しにおいても、この様な点を頭の片隅に置きながら作業を進めていくことが必要です。(おわり)
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