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2013-10-22 00:00
13年目を迎えるアフガニスタン戦争
川上 高司
拓殖大学教授
10月7日が何の日かを覚えているアメリカ国民はそれほど多くないだろう。特にシリア問題やイランとの外交問題、昨今のアメリカ政府閉鎖に注目が集まりほとんどのメディアでも取り上げられることはなくなっている。
2013年10月7日をもってアフガニスタン戦争はまる12年を超えて13年目に突入した。アメリカ史上最長の戦争となったアフガニスタン戦争は、国民にとって「終わった戦争」となりつつあるようだ。あるいは「忘れてしまいたい」戦争なのかも知れない。いまだ5万7000人ほどの米兵が駐留し、基地も縮小したとはいえ100ほどは残っている。2013年10月現在までに110名の米兵士が戦死している。
戦争は継続中なのである。残念なことにオバマ大統領自身がアフガニスタンを話題にするのはもはや年に1回くらいだという。国民は決して忘れたわけではないだろう。12年も続く戦争の戦費にうんざりし戦争によって疲弊した社会に懲りて、シリアへの軍事介入には多くの国民が反対した。始めるのは簡単だが終わらせることは困難で、多大な犠牲を払わなくてはならないということをアメリカ国民はこの戦争で学んだ。忘れてしまいたいというのが本音だろう。
だが、アフガニスタンに暮らす人々にとってはこの先も苦難はずっと続くのである。米軍に代わって治安維持を担う治安部隊の給与は外国の資金で賄われている。米軍が養成しているアフガン軍の維持はこれからは誰が行うのか。国家経済は破綻したままである。世界からの関心が失われてしまったらアフガニスタンは立ちゆかなくなるだろう。それを見越してすでにタリバンは「米軍撤退後は我々が統治する」と宣言している。そのとき、この12年間はなんだったのかを世界は問うべきだ。そしてその教訓を世界は刻んでいくべきである。
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