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2013-10-14 00:00
(連載)羽田国際線枠の配分は、これでよいか(3)
鈴木 馨祐
衆議院議員
こうしたことを考えれば、競合他社の「不公平感」という抽象論を解消するために正統性を持たない逆のゆがみを作ってしまえば、かえって長く禍根を残すことになりかねない。全日空、日本航空両者の「民間企業としての主張」はどちらもわかりますが、少なくとも政治、行政に携わる者は、個々の企業の論理とは距離を置いて、それとは異なる観点で、まさに日本の国益のために長期的に見てベストな判断を下さねばならないはずです。にもかかわらず、国益を損なう可能性の高い判断を下したように見えることには違和感を感じざるを得ません。全日空、日本航空ではなくA社、B社というニュートラルな目で今回の動きを見てみれば極めて不自然な決定がなされたといわざるを得ないのではないでしょうか。
少なくとも国土交通省には日本航空への支援の結果、本当に問題といえる是正すべき額は正確にいくらで、これまでの国内線や国際線の枠等々の数次の是正策でそのうちのいくらが埋められたのか、根拠とともに明示することが求められます。そして、発着枠の差は恒久的ですから、何年か経て是正が終わった場合には常識的には枠の再調整を行う必要が出てくるわけで、その点も明確にする必要があります。
またなぜあえて極めて限定的で独占に近い状態となる国際線の発着枠で是正をせねばならなかったのか、国内線の枠の再調整や資金を税金やほかのさまざまな方法で国庫納付させる手法を選択しなかったのはなぜなのかも明確にする必要があります。国庫納付すれば、国民に還元されたはずの資金が、結果的に一民間企業である全日空の利益に供せられたわけで、この点は国益に明確に反していないということを厳密に立証する必要があるのではないでしょうか。
航空産業に限らず、今後様々な産業で公的関与がある企業再生のケースが出てくる可能性は高いわけで、実際に走り初めて成功した再生企業がどこまで競合他社との間で利益の是正が必要なのか、下手をすれば再生企業は頑張っても競合他社に是正を求められるから頑張らないほうがいい、という風潮ともなりかねませんので、今回の日本航空のケースにおいて、明確な基準を設けることが必要です。(おわり)
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