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2013-09-03 00:00
(連載)国際世論が民主主義を擁護するシリア状勢(2)
川上 高司
拓殖大学教授
もはやアメリカ単独での軍事行動強硬は極めてむずかしい時代となっていることを十分に理解しているオバマ大統領だが、それ以上に国内で追い詰められている。これまでシリア政権が化学兵器を小規模に使用したとの報告をオバマは無視していたが、その後、「化学兵器使用はレッドラインとなる」と宣言したため今回の化学兵器使用で350人以上の死亡が確認されたことでもはや引っ込みがつかない。
その苦肉の策の米政府の声明は、空爆の目的は「アサド政権の追放ではなく化学兵器使用への懲罰」であり「アサド政権の今後の化学兵器使用を封じるための限定的攻撃にとどまる」と述べている。今回のシリアへの軍事行動反対の国際世論が盛り上がっているのは、世界中が「同じ過ちは繰り返したくない」という強い気持ちを持っているからだろう。特にイラク戦争が引き合いに出されて「イラク戦争の時の大量破壊兵器のねつ造と同じ」と非難した。
メディアでは、「シリアの化学兵器は『スラムダンク』ではない」などと皮肉な見出しが踊った。イラク侵攻前、当時のブッシュ大統領がイラクに大量破壊兵器があるかどうかを当時のテネットCIA長官に確認したところ、テネット長官は「スラムダンク(確実です)」と答え、大統領は侵攻にゴーサインを出したとのエピソードは有名である。
2001年9月11日から世界は大きく変わったと言われた。確かに大きく変わった。いま、世界は再び大きく変わろうとしている。武力による解決などあり得ないということをこの10年余の戦争を経て世界の人々は深く胸に刻んでいる。アメリカの今後の対応を国際世論は固唾を飲んで見守っている。(おわり)
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