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2013-09-02 00:00
(連載)国際世論が民主主義を擁護するシリア状勢(1)
川上 高司
拓殖大学教授
8月29日に限定的な空爆を実施すると宣告していた英仏米だったが、イギリスでは議会が反発し、ロンドンでは空爆反対の市民のデモが発生した。おそらく予想していないほどの強い反発を受けて、キャメロン首相は議会の反対と国民感情を優先させて空爆には参加しないと決定した。
イギリス国民は、ブッシュ政権がイラク侵攻する際に主張した「フセインが大量破壊兵器を所有している」という言葉に政府が追従して軍事行動に参加、多くの犠牲者を出した苦い記憶をまだ忘れてはいない。その過ちを繰り返すつもりはないという明確な市民の意志が今回の反対に表れ、キャメロン首相はその強い民意を無視することができなかった。
強硬論でアメリカを引き込んだイギリスが突如として降りたためアメリカは単独で空爆するか空爆を中止するかのどちらかの選択を迫られることとなった。単独で空爆を実施すれば国際的な非難は覚悟しなくてはならない。フランス国内世論は空爆反対派が圧倒的に多い。イタリアの首相は「国連決議のない軍事介入は支持できない」と批判的である。
英仏は人道的な見地からの空爆であると主張し、オバマ大統領は28日のインタビューで「化学兵器はアサド政権が使用した」と結論づけたうえで化学兵器使用は「国際規範違反であり、米国の核心的利益にあたる」と述べた。そして、アサド政権が二度と化学兵器を使わないように「強いシグナルを送る」と空爆を示唆した。これらの主張は国際法上の軍事行動の正当性とはとてもほど遠く国際社会を納得させることはできない。(つづく)
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