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2013-08-29 00:00
自衛隊増強は避けて通れない
中山 太郎
団体非常勤職員
最近の麻生副総理の「自衛隊増強は避けて通れない」との発言に全面的に賛成する。「水に落ちた犬はたたけ」というのは共産主義国家の常套句であるとはいえ、最近の中国の日本たたきは止まらない。日本が謝罪し、譲歩すれば、相手は引き下がる、とのわれわれの過去の理解は間違っていたのだ。だから、「自衛隊増強は避けて通れない」と思う。しかし、そう主張することは、一部にある無責任な日本愛国主義に同調することと同じではない。過去の歴史の事実は、事実としてこれをキチンと見つめ、受け入れることが必要だ。日本人の真の誇りは、過去をごまかし、事実をあいまいにしても得られない。世界に認められる歴史認識を持つことが必要だ。正々堂々と過去を直視する勇気が必要だ。
先日会話したアセアン某国の学者は、「日米が最近の中国の行動に神経を尖らせ、我々に近ずいてきているのは、ODAなどの支援を受けられありがたい反面、それが中国との対決に引き込まれることになるのであれば、それは拒否する。中国と敵対する方向に進むのは困る。われら中小国にとっては、米中の間を上手く泳ぎきるしか、生きる道はない。最後の決め手は、米中の持つ軍事力の勝負だと思う。強いほうへつく」と述べていた。数日前に会った米国の安全保障専門家は「中国は最近、米国と親密な西側陣営国である韓国とタイに足場を築くべく、アメとムチの圧力を陰に陽に両国へかけているようだ。自分も、軍事力の差がアジアでの優位確保に絶対に必要だと認識している。その場合、頼みになりそうなのが、日本と豪州であるが、豪の実力は、あまり当てにならないことが分かってきている。そうなると、頼みは日本しかない」と述べていた。
自衛隊強化のためには、物的な装備の強化はもとより、今の自衛隊の手足を束縛している法制上の制約を少しでも緩和していくことが必要だ。普通の国のようには、一足飛びにならなくとも、そのための努力が必要だ。その場合、中韓はもとより、米の一部からもクレームが来ることも覚悟しなければならない。しかし、ことはわが国の危急存亡に関わる事態なのだ。毅然と対応すればよい。真の平和を確保するためには、軍事力の保持は必須なのだ。
最後に、自衛隊強化の前提として、我々が留意しなければならないことがある。それは、戦後長い間、自衛隊を日陰者にして、厄介者扱いにしてきたツケは、そう簡単には、なくならないということだ。一部の学校では、教師が先頭に立って「自衛隊の子は、悪い子」と叫び、いじめが公然と行なわれていたし、過去の多くの事故、例えば雫石での自衛隊機と民間機の衝突事故などにおいて、いま冷静に考えると、事故原因は当時の航空管制システムの欠陥などにあり、自衛隊機が必ずしも全責任を負うものではないのに関わらず、社会全体が自衛隊のみを叩いた。当事者は悲惨な人生を送ることになった。こうした事情からも嫁の来てがないのだ。すると、今はやりの国際結婚となるが、自衛隊員の国際結婚の相手の7割は中国人だという。勿論、ほとんどの結婚が純粋な愛情で結ばれた、立派なものであるが、欧米におけるスパイ事件などを見るにつけ、こうした面でも、きちんとしたチェックが必要なのは言うまでもない。
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