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2006-09-14 00:00
連載投稿(1)東アジア金融協力とグローバル・インバランス
上辻 宏
大学院生
ASEAN+3で進められている東アジアでの金融協力は、日本の持ち出しばかりという意見も聞く。チェンマイ・イニシアティヴによる通貨スワップ協定にしても日本がスワップしてもらう側になるとはなかなか考えにくい、など。しかしながら、東アジアでの通貨協力を進めることで、日本側にも大いにメリットがあるのである。今回取り上げるグローバル・インバランスの問題もその一例である。東アジアでの金融協力は日本がグローバル・インバランスの解消に伴う国際金融環境の激変が生じた際、東アジア内の通貨安定化スキームが日本経済のアンカーの働きをすることが期待される。
まず、グローバル・インバランスとは何なのか?世界的規模での収支バランスの非対称性をいう。具体的にはアジア地域への外貨準備の集中と、積みあがるアメリカの資本収支黒字を言う。2004年の時点で東アジアの外貨準備残高は2兆ドルに達しようとしている。また、アメリカの経常収支赤字は6,659億ドル、資本収支黒字は6,112億ドル、短期資金の異動を示す誤差脱漏も519億ドルに達している。2004年にアメリカはモノ・サービスの貿易で6,659億ドル赤字を出し、この赤字は海外からの資金流入でまかなわれているのである。この傾向は毎年拡大している。
IT産業の隆盛に代表される90年代のアメリカ産業の躍進が資金流入を呼び、また、資金流入による資産価格の上昇が、貯蓄率を減少させた。アメリカでは、アメリカの消費は世界経済のけん引役であり、中国・日本が意図的に為替レートを低く保っていること、また日本やヨーロッパが内需を喚起できないことが、グローバル・インバランスの原因であるとする主張が支持されている。グリーンスパンは投資家のホームバイアスの低下、米国が引き続き魅力的な投資先であること、基軸通貨国であることから、経常収支赤字は許容範囲内であると、2004年の時点ではあるが、主張している。(つづく)
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