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2013-08-26 00:00
(連載)消費増税は破産した官僚主導政策の象徴(1)
田村 秀男
ジャーナリスト
猛暑にたまりかねて、最近久方ぶりにタクシーに乗った。運転手さんが語る。昼飯は300円の牛丼、それを食べるために駐車して300円を払う毎日。来年4月からは消費税増税。料金を値上げすれば客は減るので増税分を転嫁できない。雇われ運転手たちは1日の上がりが5万円なら、その中から3%、1500円を差し出し、1日の給与はそれだけ減る。運転手さんに限らない。デフレ下ではモノやサービスの売り上げが縮小する。そのモノ、サービスにかかる消費増税が需要を減らし、デフレをさらに促進するという、経済学上の真実を国民の多数が肌で感じている。
消費税増税を予定通り断行すべしと主張する自民、公明、民主党3党の議員たち、すなわち“増税翼賛会”の面々は夏休みに200万円もの公費、つまり税金を使って「海外視察」に興じる代わりに、お抱え運転手付きハイヤーではなくタクシーに乗って増税を説いてみればよいだろう。サラリーマン諸公ならその無念さは分かるだろう。勤め先が価格転嫁できないか、あるいは売り上げが減れば、そのツケは社員に回る。さらにツケは国庫そのものにも回る。
消費税率を1%引き上げると、一般会計消費税収が約2兆円増える。97年度の消費税率引き上げ幅は2%なので、毎年度4兆円の消費税収アップである。では、税収全体が増えたのかというと、98年度から昨年度までの15年間のうち13年は、税収合計が97年度を大きく下回った。2000年度、2007年度はプラスになったが、プラス幅は誤差の範囲内といえるほど極小なので、いわば0勝13敗2引き分けである。
財政収支悪化の原因はデフレ、その引き金を引いたのが消費増税である。その政策を推進、擁護してきた政治家、財務官僚と御用学者は、責任を問われるか、恥じて職を辞すのが当然なのに、誰もそうしない。それどころか、誰かが責任をとれば自分もとらされるのが怖い。だからつるんで「もっと増税しろ」と合唱する。メディア大多数も唱和する。(つづく)
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