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2013-08-03 00:00
麻生副総理が言いたかったこと
若林 洋介
学習塾経営
麻生副総理の「ナチスの手口に学ぶ」発言は、明らかに朝日新聞の歪曲報道であると言わざるをえない。朝日新聞は、麻生発言の肝心要の前置き部分を紹介せず、いきなり片言隻句を捉えて、麻生副総理の真意とは全く違った意味の解釈を事実として報道している。そういう意味では、今回の報道は、全くの誤報であり、朝日新聞は謝罪しなくてはならない。ただ、この麻生発言は、非常に誤解を招きやすい発言であることも確かである。では、麻生副総理は、本当は何を言いたかったのだろうか。私見を述べてみたい。
まず、麻生副総理は、その前置きで「日本の置かれている国際情勢は(現行憲法ができたころと)まったく違う。護憲、護憲と叫んでいれば平和がくると思うのは大間違いだし、仮に改憲できたとしても、それで世の中すべて円満になるというのも全然違う。改憲の目的は国家の安全や国家の安寧。改憲は単なる手段なのです。狂騒・狂乱の騒々しい中で決めてほしくない。落ち着いて、我々を取り巻く環境は何なのか、状況をよく見た世論の上に憲法改正は成し遂げるべきなんです。そうしないと間違ったものになりかねない」と述べている。そのことを確認しておきたい。
これに対して、朝日新聞は、麻生発言の内容として「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない」という発言があったと報道した。
私は、麻生副総理の発言の真意は、「(マスコミに)騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと」という言葉に尽くされているのではないかと思う。つまり、自民党改正案が外部からの雑音を排除して、じっくり議論を積み上げて来たように、日本国民も、中国や韓国からの雑音に影響をされない環境で、じっくり改憲論議がなされるべきである、ということなのではないか。そうなると、現在は、日中・日韓の関係が尖閣問題や、歴史認識問題でギクシャクしており、首脳会談もできていないので、今しばらくは、改憲論議が可能な環境は整っているとは言えない。すなわち、改憲論議は、日中・日韓関係の関係改善がなされた良好な時を見計らった上で、じっくり焦らずにやるべきで、今は、憲法改正の論議を急いでする必要はない、ということになる。
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