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2013-07-26 00:00
G20声明は、時間稼ぎのリップサービス
田村 秀男
ジャーナリスト
G7はもちろんのこと、G20なんてもっとひどく、およそ中身のない国際担当官僚の作文のつなぎあわせでしかない。基軸通貨ドル体制のもとでは、米国対ドル従属国の2国間であらかたの調整はつくだけである。今回のモスクワG20は、その前の「米中戦略対話」なるワシントンでの会議ですべてが決まっている。要は、中国はドルなしでは生きて行けないという現実があるのみ。
そこで、何らかの言い方で米国債を売るぞ、と脅したのだろうが、売って米国債が暴落すれば、ドルの大幅安、中国は大損し、かえって苦境に立つから、この米中ゲームは最初から中国の負けが決まっている。中国金融の基本問題は、シャドー・バンキングではなく、中国金融モデルそのものなのである。マーケットの注目をシャドー・バンキングなるものに引きつけるのは、言わばだまし絵に過ぎない。そんなことはワシントンは十分承知だろう。問題の根本は、中国が流入ドルをベースにして人民元資金を発行し、あとは共産党指令の金融システムのなかでカネを回す、その異常さにある。国有商業銀行の貸し出し金利の下限撤廃がなぜ金利の自由化なのか、日経を始め、メディアの解説はまさに狂っている。
そもそも、自由な金融市場システムがないのに、なぜ金利や金融の自由化になるのか、あほらしい茶番である。シャドー・バンキングなんて、中国特有の闇金融であり、そこに高金利のカネを流しているのは、大手国有商業銀行であり、党官僚利権付きの国有企業なのである。不動産バブル崩壊があってこそ、初めて整理淘汰されるものなのだが、そうなればすべてが崩壊するので、何もできない。言葉の上での構造調整なんて、これまた、あほらしい。日経は、中国の軟着陸を願っているから、空疎な記事ばかり書くのだろうか。
もっとも、米QEの縮小、打ち止め観測で窮地に立つのは中国に限らないから、ワシントンは少し気にしているのだろう。だからと言って、バーナンキ議長が基本政策を変えることはないだろう。G20声明なるものは、しょせん、時間稼ぎのリップサービスなのである。
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