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2013-07-12 00:00
パリ航空ショーで再デビューしたオスプレイ
川上 高司
拓殖大学教授
フランスでは第50回パリ・エア・ショーが6月17日から23日まで開催された。民間機から戦闘機まであらゆる飛行機が集まり、世界中の期待と注目を集めるこのショーは格好のセールスの場でもあり、空飛ぶ夢をかき立てる新型飛行機のデビューの場でもある。かつて傾斜式ローター航空機として開発されたXV-15(後の通称オスプレイ)は1981年にこの航空ショーに出展して話題をさらった。
あれから30年あまりが経ち、その間に傾斜式ローターはV-22「オスプレイ」として実用化された。そして新たな傾斜式ローター航空機が今年のショーではデビューした。傾斜式ローターの民間機の開発を行っているオーガスタウエストランド社が出展した新たな飛行機は、「プロジェクト・ゼロ」と名付けられた開発プログラムによって密かに研究されていた。エンジニアたちの夢を形にしたというこの傾斜式ローターはわずか6か月で完成し、2011年と2012年にひっそりとテスト飛行を繰り返していた。そのためこの飛行機に関する論文もなく、世界でただ1機の夢の飛行機である。
この飛行機は無人ですべて電子制御であるため軽量で騒音も少ない。外見はヘリコプターでもなく戦闘機でもない。強いて言えばB-2ステルス爆撃機の翼をくりぬいて巨大なファンを左右にはめ込んだような形だ。3枚ブレードは、これまでの傾斜式ローターの技術を継承している。オーガスタウエストランド社は、傾斜式ローターを用いた民間機の開発を以前からベル社と協同で行っていたが、ベル社がV-22の製造に忙しくなったため単独で民間機の開発を一手に担うようになり、この新型航空機の開発に成功した。
傾斜式ローターの開発が始まってから60年以上が経ち、いまではグローバルに高度なテクノロジーを結集することができるので開発ペースは格段に上がっている。だが、エンジニアたちの傾斜式ローター航空機にかける夢は変わらずその夢が成功の原動力になっているのだ。かつて傾斜式ローターに取り憑かれてその開発に人生を捧げたロバート・リッチェンやケニス・ワーニックも夢を追いかけて傾斜式ローター航空機V-3やV-15を世に送り出した。プロジェクト・ゼロのエンジニアたちもきっとそうだったのだろう。傾斜式ローターは進化し続けまさに次世代の航空機になるのかもしれない。
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