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2013-06-26 00:00
(連載)ドニロンの退任は何を意味するのか(1)
川上 高司
拓殖大学教授
6月5日、オバマ大統領は国家安全保障担当補佐官のトム・ドニロンの退任を発表した。それに伴い後任はスーザン・ライス国連大使、新たに国連大使にはサマンサ・パワーが就任すると発表された。ドニロンは1期目から引き続いて補佐官を務めていた、オバマ大統領の外交政策の要ともいえる存在である。その要となる人物が突然交代するというのであるからさまざまな憶測がアメリカの政治ウォッチャーの間では飛び交っている。
しかも、5月28日付フォーリン・ポリシー電子版にはドニロンと他のスタッフとの不協和音を伝える記事が掲載されたため、オバマ2期目は閣僚間にすでに亀裂がはいったのではと誰もが勘ぐるのは無理もない。そのうえライス氏やパワー氏はタカ派リベラルとして知られ、人権重視で人道的見地から軍事介入も辞さない人権強硬派である。そのためリビアの軍事介入に非常に積極的であった。この2人が外交政策の要所に就くということは、オバマ政権はいよいよシリアへの軍事介入を念頭に置き始めたのかと、懸念と期待が入り交じった憶測が生じても不思議ではない。
そもそもドニロンは前任者のジェームス・ジョーンズ補佐官の辞任にともない副補佐官だった彼が昇格し、以後4年間オバマ政権の外交政策を文字通り仕切った。彼は裏方の仕事が好きで会議や入念な情報収集を行い猛烈に働く人物だった。そのため部下や周囲の者も猛烈に働くことを余儀なくされた。確かに「ドニロンは部下を酷使したが、大統領はドニロンをそれ以上に酷使した」といわれているほどドニロンはひたすら仕事に邁進していたが、部下の不満が辞任の原因になるほどではないだろう。
昨年末にドニロンは実は辞任を申し出ているのだが、ケリー国務長官とヘーゲル国防長官が就任し政権が順調に滑り出すまではとどまって欲しいとオバマ大統領がひきとめたという。ケリー氏もヘーゲル氏もホワイトハウスでの政治経験がない。そのため政権運営がスムーズにスタートを切るためにはドニロンの力が必要だったのだ。それほどドニロンの存在は政権内では大きくなっていたということだ。(つづく)
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