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2006-08-28 00:00
掲示板は、多様な投稿に開放されてこそ意味がある
関 士郎
会社員
8月24日の進藤榮一氏の投稿「シンクタンク連合の名に恥じぬ掲示板を期待する」を見て、違和感を覚えた部分があるので、その点について私の意見を述べさせていただきたいと思います。
進藤氏が述べられている前段(投稿内容の質的レベルについての指摘)については、私もある程度理解できます。「2000年頃に、中国の李鵬首相がオーストラリア首相に、『日本は、あと20年で無くなる』といったそうです」というある投稿者の投稿について、「いったいこの発言は、2000年の何月何日に、どこで言ったのか、新聞、文献、またはブログなどからの引用なら、その引用源を明確にさせなくてはなりません」との指摘については、私も「そのほうが説得力があったのに、残念だったなあ」と思います。しかし、この政策掲示板は学者や専門家だけでなく、広くいろいろなひとに開放されているということと、質的にレベルの低い投稿は、結果としてそれなりの評価しか得られないという現実がある以上、それ(一定の質的レベル)を投稿の条件とするのは、結果としてこの政策掲示板の目的や役割を損なうことになるのではないかと危惧するものです。
また、進藤氏は後段で「東アジア共同体評議会(CEAC)の役割と存在そのものをも否定する投稿まで、掲載され闊歩させていることは疑問です。CEACは、東アジア・シンクタンク・ネットワーク(NEAT)の日本側受入れ代表機関であり、そのシンクタンク連合として、東アジア共同体の理念に共鳴し、その実現をはかるという、大原則があります。その大原則を揶揄したり、根本から否定したりする類の投稿は、本欄で原則掲載されるべきではありません」と述べておられますが、進藤氏には大きな誤解があるのではないでしょうか。私自身は東アジア共同体構想が重要な構想であることを理解し、それを勉強するためにCEACのホームページを読ませていただいておりますが、この構想についてはそれが日本の国益につながるものであるとの意見とそうではないとの意見と両論があることを知っており、私は私なりにその双方の議論を勉強したいと思って、このホームページを読んでいます。
CEACホームページのトップページの最下欄に「東アジア共同体(EAC)の定義」という囲み記事があり、そこには「CEACはEACの研究団体であるが、推進団体ではない。いろいろの考え方があり、CEACはそれぞれの考え方の意味を研究し、日本の戦略的対応のあるべき姿を模索することを目的としている」ということが書いてあります。じつは、私がCEACのホームページの愛読者である理由は、CEACにこのスタンスがあるからであり、CEACの言うことは信用できるとの信頼感があるからです。特定の主義主張だけを吹き込まれるのであれば、読者は眉につばをつけてから読まなければなりません。また、実際問題として、現在各方面で議論されている「東アジア共同体」の構想自体は、いまだ依然として曖昧模糊としたものであり、賛成、反対ともに、勝手に「東アジア共同体はこういうものだ」と決め付けてから議論しているところがあり、それだけに「こういう東アジア共同体なら賛成」「こういう東アジア共同体なら反対」という議論は貴重だと思います。
進藤氏のような深い学識と高い見識の持ち主とすれば、「あまりにもレベルが低い」あるいは「見当違いの意見」と思われる投稿については、「なんとかならないか」と門前払いしたいお気持ちはよく分かりますが、この政策掲示板はいろいろな人のいろいろな意見に開かれた政策掲示板であり、「あまりにもレベルが低い」あるいは「見当違いの意見」は、それなりに(そのようなものとして)識別され、評価されているのだという、この掲示板の読者全体の評価力に対する信頼感をもっと持っていただきたいと思います。その意味では、今回の進藤氏のご指摘は大変有意義であったと思います。特定の投稿が「なぜ、どこに問題があるのか」を投稿の交換をつうじて示して行けばよいと思います。そうした真摯な対応は、編集者が検閲で同質、同意見の投稿ばかり掲載するメディアよりも、洗練されたレベルの高い編集姿勢としての印象を、政策掲示板を読む読者に印象づけることになると思います。東アジア共同体という日本の将来にとって非常に重要な意味を持ち得る構想をめぐっての議論が、一部の「有識者」の見解に沿う形でしか許容されない偏狭なものとなってしまった場合、国家と国民にとって不幸な結果に繋がって行く可能性があると懸念します。
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