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2013-02-22 00:00
中国軍艦によるレーダー照射への対応
鈴木 馨祐
衆議院議員
尖閣諸島付近の海域での中国のフリゲート艦から自衛艦へのレーダー照射、極めて深刻な事態と言わざるを得ません。が、一方で、冷静に対処しつつ、尖閣諸島の実効的な支配を粛々と維持をするという安倍政権の方針は少なくとも現時点で当面取りうる唯一の選択です。もちろん、中期的には、中国軍による軍事行動の可能性がかなり高まっている現実を見据え、ハード面ソフト面の制度整備・充実を進めていくことは不可欠です。能力はあるが意図は明確でないということで「潜在的脅威」であった中国は、意図も含めて我が国の権益への挑戦が明らかになってきており、「脅威」と言わざるを得ない状況です。そうなれば、相手に開戦の判断をさせない状況、少なくとも強固な専守防衛の中で、その判断をすればかなりの犠牲を伴うという状況を政治が責任をもって作らねばなりません。
そしてもう一つ重要なのは、国際社会に対して、今回の経緯が中国による一方的な挑発行動であることを繰り返し繰り返し主張することです。中国当局が事実に反する発表を繰り返している中で、直接この地域で中国と対峙していない国においては、中国当局が虚偽の発表をしばしば繰り返すという事実が浸透していません。そのために、日本と中国の双方に責任があるといった論評が依然としてあるという実態があります。
日本としては、事実関係を客観的事実に即してきっちりと主張し続け、中国側の一連の行動の実態を明確に発信することが、長期的には東シナ海ガス田や尖閣諸島における中国の主張の正統性のなさを国際社会にアピールすることにもつながります。まさに同じ土俵には乗らないということ、そして、アメリカのような第三国にも関与してもらう中で、中国の異常性、特異性というものを明確にしていくことが最も重要です。
東シナ海や南シナ海で中国が地域の秩序に公然と挑戦し、また北朝鮮への事実上の支援をすすめているにも関わらず、フランスやドイツが中心となってEUの対中国武器禁輸の解除に積極的に動こうとしていることはまさにその証左です。この問題で中国の姿勢に疑念を持ち武器禁輸の解除に慎重なイギリスや、この地域での中国の行動に懸念を持つアジアの国々やオーストラリア等の諸国に引き続き情報提供をし実態を伝え共同での対処を目指す、また親中姿勢がかなり強く懸念されるケリー新米国務長官には事実関係を明確に伝えるなど、きめ細かい対応が求められます。
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