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2013-02-11 00:00
(連載)メディアの無知を暴くアベノミクス(1)
田村 秀男
ジャーナリスト
メディア各社が報じる安倍内閣の高世論支持率は、皮肉なことにメディア論調とは正反対である。NHK、朝日新聞、日経新聞など主要メディアは、「アベノミクス」に対して根拠なきネガティブ・キャンペーンを繰り返してきたのだ。無定見さの代表例が、日経新聞の経済論壇、「経済教室」欄で1月16日付から4回、連載された「安倍政権経済政策の課題」である。執筆者はいずれも財務・日銀官僚寄りか御用学者予備軍とおぼしき大学教授ばかりである。見出しは「日本売りリスク」「物価高騰も」「日銀の独立性は重要」「資産バブル招く」という具合である。いかにも経済のプロと思わせる学者に書かせているのは、意図的な情報操作と言っていい。
「日本売り」とは、2%のインフレ目標を設定して国債発行を増やせば、国債利回りが急騰、つまり国債が暴落する、という意味である。日銀は2%のインフレ率に近づくまでお札を刷って国債を買い上げる。しかも民間金融機関は国債を買ってなお十分な余力があり、世界最大の純債権国として米国債まで引き受けている。さらに忍耐強く勤勉な日本の有権者の半数前後が東日本大震災からの復興増税や消費増税も受け入れている。
それでも日本国債が暴落するくらいなら、増税の代わりにドル札を刷っては長期国債を買い上げる世界最大の債務国米国、ユーロ札を刷ってはギリシャなど重債務国の国債を買い上げる欧州ユーロ圏を含め、世界は終わるだろう。「物価高騰」というが、そもそも物価上昇率を2%以下で抑える手段とするのがインフレ目標である。1年前に2%のインフレ目標を設定した米連邦準備制度理事会(FRB)は2008年9月のリーマン・ショック後、短期間のうちにドルを3倍以上発行し、12年12月にはさらに失業率が6.5%まで改善するまでは量的緩和とゼロ金利政策を続ける政策を打ち出した。
それでもインフレ率は2%未満にとどまっている。もともとインフレ体質の米国だからお札の大量発行は悪性インフレを招くという反対論が根強いのだが、それでも物価は安定圏にある。物価が下がりつづける慢性デフレの日本で物価をプラス・ゼロ・コンマ台に押し上げるには米国並み以上の金融緩和が必要なのに、小出しでしかお札を増刷しない日銀が「物価高騰」を引き起こせるなら、デフレはとっくに終わっているだろうし、世界の金融常識は通用しないことになる。(つづく)
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