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2013-02-06 00:00
(連載)増税の位置づけが問われる税制調査会(2)
鈴木 馨祐
衆議院議員
今年の大きな項目である所得税の最高税率引き上げの問題。これが象徴的ですが、今いわれているような高所得者の所得税率の引き上げは確かに上を抑えるという意味で社会政策的には若干の意味があるかもしれません。
しかし、(1)高所得者は納税国を選べる(税率を引き上げれば海外に転出し結果的に日本への納税はゼロになってしまう)、(2)対外的に日本は「頑張って稼いだ人」に厳しい国だというメッセージを出してしまえば日本への投資が低迷し、また高所得者が魅力を感じない国となれば、ひいては経済成長という意味でマイナスとなる、等の可能性も考慮せねばなりません。(1)を考えればこの措置によるプラスはわずかとなる可能性がある一方で、(2)のリスクはかなり 大きいといわざるを得ません。結果として「経済政策」的には失うものが大きい可能性が高い。
特に今のように、国内の消費を喚起し、景気回復を果たすことが至上命題である時期においては、所得税の最高税率引き上げは好ましくないのではないかと思われます。三党合意との兼ね合いもあるので難しいかもしれませんが、少なくとも議論はしていかねばなりません。今回の税制改正は、政権が変わって最初、かつ消費税の引き上げという税制的には大きなタイミングでの改正です。だからこそ誤ったメッセージを出さないようにせねばなりません。
消費税の増税をどのように位置づけるのか。単なる財政の赤字を賄うためのものに終わらせるのか、あるいは、少子化が進み国際競争が厳しくなる中で、これまでのように「働く人」「頑張る人」「稼ぐ企業」に負担を集中させる直接税中心の仕組みから、薄く広く皆で負担をする間接税中心の仕組みに大転換をする、という大戦略の中に位置づけるのか。まさにそんな点も今問われているのです。(おわり)
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