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2006-08-17 00:00
東アジアにおけるポピュラー文化の影響力を評価せよ
田中里佳
大学生
8月3日付け長野晃氏の投稿で、長野氏は「東アジアの都市中間層の台頭・拡大によって、特に若者間での大衆文化が浸透し、ある種の共通の価値観が形成されつつある」と、面白い指摘をしておられる。これに関連して私もここで以下のような指摘をしてみたい。
1990年代、東アジア地域においては、マンガ・音楽等の日本のポピュラー文化が若者間で広く浸透し、その現象は「文化のジャパナイゼーション」などと呼ばれた。私は長野氏同様、この文化的浸透の現象が、東アジア地域の若者間において「ある種の共通の価値観」を生み出すものだと以前より関心を持ってきた。そもそも、日本のポピュラー文化は、東アジア諸国と時間的・空間的に近似しており、「文化的共通性」を生み出しやすい性質を持っているからである。日本のポピュラー文化には米国のものと異なり、政治的イデオロギーや理念等が含まれていないため、文化的に「無臭」であることからも、とっつきやすさを与えている。
今や東アジアにおけるポピュラー文化は日本から発信されるものではなく、「冬のソナタ」で大ブームとなった「韓流」を始め韓国、中国、台湾等からも発信されるようになってきた。アジアのアーティストやドラマの内容を知る日本の若い世代の人は実際増えてきている。まさにポピュラー文化の相互交流時代がやってきたと言える。このようなポピュラー文化そのもののボーダレス化が進むことによって、東アジアの若者間で共通の価値観が徐々に形成されていくのは不可逆的現象と言ってよいだろう。
東アジアで「我々意識(we-feeling)」を醸成するためには、長野氏がおっしゃるように協力枠組みをしっかり構築していくことも大切だが、上記のような若者間におけるポピュラー文化の浸透の現象にも注視していくことが重要だと思う。歴史認識問題で韓国や中国との関係が冷え切っている中では、東アジア共同体の形成に向けた一つの方法として、上に述べたような若者間で浸透しているポピュラー文化の影響力を評価すべきだと考える。
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