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2013-01-08 00:00
銃所有と子供の命におけるアメリカのジレンマ
川上 高司
拓殖大学教授
アメリカでは銃の所持は憲法で保証された権利だが、こどもたちの命の重さはどこにあるのだろうか。コネチカット州のごく普通の街の小学校で金曜日銃の乱射事件が発生し、小学生以下のこども20人と教師6人が犠牲となる悲劇が起こった。アメリカではたびたび学校での銃乱射事件が起こっている。1990年代にはコロンバイン高校で発生した。ヴァージニア工科大学のキャンパスでは30人を超える犠牲者がでて全米を震撼させたことは記憶に新しい。だが今回の衝撃はそれ以上で、それは小学校に併設されていた幼稚園の園児が多く犠牲になり犠牲者の年齢の低さに起因する。
アメリカでは学校だけでなくショッピングモールや映画館など公共の場でも銃乱射事件は発生しておりそのたびに銃規制が議論されるのだが、アメリカでは銃の所持は憲法で保証された権利であるとのことから銃規制には強い反対があり規制が進まないのが現状である。オバマ大統領も1期目では銃の規制にはそれほど積極的ではなかった。だが、今回の悲劇は大統領の「Change」を後押しするかもしれない。日曜日の現地でのスピーチでは「これ以上耐えられない」と冷静な大統領にしては異例とも言える感情的な発言が飛び出し、「繰り返さない為にはアメリカは変わらなくてはならない」と銃規制へと動く可能性を示唆した。
ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグは銃の規制に長年積極的な立場を取っているが、今回の悲劇をうけて「銃規制が大統領の最優先事項だ」とますますプレッシャーをかけている。「スピーチで国民の心を癒すのも結構だがそれより『大統領として』やるべきことがあるだろう」とテレビでのインタビューに答えて、この1期目の4年間煮え切らなかったオバマ大統領の銃規制への姿勢を改めるように厳しいエールを送っている。
銃規制反対の勢力は相変わらず強いが、いまは世論が規制を後押ししている。議会でも規制強化を求める声は高まりつつある。本気で「Change」を生み出す覚悟をオバマ大統領は持つべきだろう。逆に今何もしなかったら、2期目がスタートする前から国民の失望を買って支持を失う可能性もある。ブルームバーグ市長が言うように大統領の責務は国民の安全を確保することであるならば、いまこそオバマ大統領は責務をまっとうしなければならない。
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