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2012-12-22 00:00
(連載)デフレ・超円高への「反攻・逆転」をせよ(2)
田村 秀男
ジャーナリスト
白川氏には、世界の中央銀行では前例のないデフレ放置政策を採り続けてきたことを恥じる気配はまったくない。お札を継続的に増刷して市場に投入する「量的緩和」に背を向けてきたばかりか、「事実上のゼロ金利」を標榜しながら、民間銀行が日銀に預ける当座預金に0.1%の金利を付け、余剰資金を貸し出しに回さない。
安倍氏の提案に対しては、インフレ目標を2、3%に設定すれば長期金利の上昇を招くとか、日銀政策金利をゼロ以下に下げれば、金融機関にとってコスト高になって逆に貸し出し金利が上がる恐れがあると言い張る。メディアの論説陣の大多数はそんな日銀政策を支持し続け、「中央銀行の独立性」を損なうなと大合唱するありさまだ。日経は12月14日付朝刊でも国民の金融資産がインフレで毀損する、といったトンデモ説を流している。
これらの見解のうそは明らかだ。米連邦準備制度理事会(FRB)はドルを3倍に刷り、インフレ目標を2%に設定しているが、インフレ率は1、2%にとどまり、長期金利は低水準のままだ。株式、国債などの金融資産は増え、個人消費を上向かせている。デンマーク中央銀行はこの7月に政策金利をマイナスにし、短期金利をマイナスに誘導し、銀行貸し出しを増やすのに成功している。金融が総選挙の争点になったこと自体、奇跡に近い。一般の有権者の多数が在来型の政策では閉塞状況から脱出できないと「反逆」し出したのだ。官僚やメディアなどの守旧派は時代の要請に応えていないのだ。
政策メーカーとしての政治の世界全体が市場の期待を確信に変えなければ、日本経済の再生と逆転は掛け声倒れに終わりかねない。政治は超党派で結束し、日銀に対してこれまでの政策の失敗責任について説明を求め、すみやかな政策大転換を迫るのが当然だ。そして日銀法を改正し、政府と日銀が一体となった脱デフレ・超円高是正の道を固めるべきだ。(おわり)
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