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2012-11-19 00:00
アメリカ大統領選挙に投票したい世界
川上 高司
拓殖大学教授
良くも悪くもアメリカの世界に及ぼす影響力は未だに強い。その大統領選挙となると世界中が注目する。アメリカの政策はダイレクトに自分の国や生活に影響を与えるからである。9月に行われたUPIの世界規模での世論調査によれば、国を超えて実に42%の人々がアメリカ大統領選挙に自分も投票したいと思っていることが判明した。中国では58%とダントツに多い。次いでインドが53%、パキスタンでも42%と直接影響を受ける国ほどアメリカ大統領選挙への投票をしたいようである。
では、実際に世界各国の人々にアメリカ大統領選挙へ投票する権利があるならば、オバマとロムニーはどちらが勝利を収めるのか。地域によってバラツキはあるが平均値でみれば、オバマ支持51%、ロムニー支持12%と圧倒的に世界はオバマを求めている。最も支持率が高かったのはアイスランド98%、続いてオランダやドイツが97%、チュニジアでも89%と圧倒的な支持を得ている。ちなみに日本の支持率は他国からみると低い方で86%にとどまっている。選挙権が欲しいと言う中国人の58%のうち71%がオバマを支持している。対するロムニーを熱烈に支持しているのは唯一イスラエルで65%である。続いてパキスタンが41%、グルジア36%と熱烈とはやや言い難い支持である。
ではいったいオバマのどこにそんな人気があるのだろうか。支持率トップを誇るアイスランドでは、「アメリカ大統領としてふさわしい」という理由が58%と高く、手放しで賞賛している。カナダやオーストラリアでも支持率は高く50%台に登る。ヨーロッパではおおむね支持が高く、ユーロ危機に直面しているヨーロッパからみればオバマの仕事ぶりはうらやましい限りなのかもしれない。一方、オバマの政策へ対する評価はいまいちで、人柄やそのカリスマ性が人気の源となっているようだ。
逆にロムニーに熱い視線を送っているイスラエルでは、56%がオバマの政策を理由に支持している。大統領としてのカリスマ性に期待するのは19%、人柄にいたっては7%しか期待していない。実業家のロムニーには実務家として期待しているだけにとどまっているようだ。こうして見てくると、世界がアメリカの大統領に求めているのは大統領にふさわしい人柄とカリスマ性ということになる。一国の指導者がこれほど世界の支持を集めるのもグローバリゼーションの表れなのだろうか。また世界中がオバマ支持という気持ちを共有するのもグローバリゼーションの表れなのだろう。
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