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2012-11-05 00:00
(連載)今こそ和平演変戦略で中国の民主化を(1)
加藤 朗
桜美林大学教授
日本政府は尖閣問題に対する対中戦略を間違ってはいけない。軍事力で対抗するよりも、今こそ中国の民主化を支援し和平演変により第二の天安門事件を起こし、中国共産党独裁政権を内部から打倒することが何よりも有効な対中戦略である。尖閣諸島の領海警備の強化は当然としても、それ以上に防衛費を倍増し南西諸島防衛を強化するなどの防衛力増強による対中戦略は必ずしも上策ではない。こうしたハード・パワーによる対中戦略をとれば日本は中国との際限のない軍拡競争の泥沼に陥りかねない。
他方、和平演変戦略を日本がとっても、中国は対抗のしようがない。和平演変戦略とはソフト・パワーによる中国民主化戦略である。かつて吉田茂は経済協力を通じた中国の民主化を夢見たが、経済ではなく文化を通じた中国民主化戦略である。具体的には、自由と民主主義の素晴らしさを中国人民とりわけ反日教育を受けた若い世代に伝えることである。
それは流行の服や化粧、ブランド品、漫画、小説、アニメ、映画など民主主義社会が生み出したありとありあらゆる文化を通じて根気よく粘り強く中国の人々に自由の素晴らしさ、民主主義社会の精神的豊かさを伝え、共産党独裁体制が自由や人権を抑圧する体制であることを彼らに知ってもらうのである。仮に、その文化が必ずしも日本のものでなくてもかまわない。自由と民主主義を重んじる国ならアメリカでもヨーロッパでも構わない。
幸いなことに、反日政策で日本への訪問者が減ったとしても、中国は留学生や観光客を欧米など世界中に送り出している。海外で自由の素晴らしさを体得した中国人が増えれば増えるほど、思想言論行動の自由を弾圧し、独裁体制につきものの官僚の腐敗にまみれた中国共産党に対する反発が強まるであろう。また国内でいくら言論を統制しようとしても、完璧に統制することはできない。中国はかつてのソ連ほどには情報統制をしていないが、ソ連のグラスノスチが最終的にはソ連崩壊をもたらしたように、ネットの発達した現在では、スマートフォンの普及でいずれは情報統制が損なわれるだろう。(つづく)
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