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2006-08-09 00:00
「アジア版OECD」設立に向けて国論を一本化せよ
山中葉子
会社員
先日開催された貴評議会の第16回政策本会議「ASEAN拡大外相会議(PMC)を終えて」の概要メモを拝読したが、一番気になったのは、「アジア版OECD」なる構想が浮上しているが、外務省と経産省の間で十分な意見調整が行われていないように見えることだ。二階経産大臣は今年4月に、麻生外務大臣も今年6月に、それぞれ「アジア版OECD」構想を打ち出しているが、その加盟想定国の範囲や事務局態勢の規模などについて、両省の間で構想の違いが見られる。
もちろん私は、「アジア版OECD」構想自体を大変意義のあるものだと思っている。そもそもOECDは経済動向や貿易・投資活動の分析を行っていて、経済や社会の分野で広範な諸問題に取り組んでいる国際機関であるので、アジア地域においても同様の役割を果たす国際機関を設置することは、世界経済の「成長センター」であるアジアにとって非常に重要なことであるからだ。「アジア版OECD」は、アジア地域が共通に抱える諸課題を共同で対処する際の協力体制を強固にするだろうし、各国政府や既存の枠組み(東アジア・サミットやAPECなど)、民間企業などに対しても、その分析結果が政策的・経済的に有効利用されることが大いに期待できる。
私自身、「アジア版OECD」構想を非常に興味深く観察させてもらっているが、日本がイニシアティブを取ってこの構想を推し進めるには、まずは国内、つまり外務・経産省間でしっかり調整を行う努力をしていただきたいと思う。この構想を実現させていくため、また日本の経済外交強化のためにも、まずは国論を一本化することを望みたい。
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