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2012-10-20 00:00
(連載)ドイツの再生可能エネルギーが示す脱原発の非現実性(1)
高峰 康修
日本国際フォーラム客員主任研究員
ドイツは、福島第一原発の事故を受けて、脱原発と再生可能エネルギーによる代替に舵を切った、経済大国としては、極めて珍しい例であり、我が国もそのやり方に追随しようとしている。しかし、ドイツの再生可能エネルギー普及のための賦課金が来年から約5割もの引き上げを余儀なくされる見込みであることは、再生可能エネルギーによって原発を代替することが非現実的であることを改めて示した。
ドイツは、再生可能エネルギー導入推進のために固定価格買取制度を1990年から導入しており、電力供給会社の負担は、電気料金に上乗せされ、賦課金という形で消費者に転嫁されることになっている。これは、我が国が7月に導入した買い取り制度も同様である。
ドイツの送電事業者大手4社が15日に共同発表したところによれば、来年の賦課金額は、1キロワット時あたり0.053ユーロ(約5.4円)に引き上げられ、今年の賦課金額0.036ユーロ(約3.7円)と比較して、47%増となる。その結果、標準世帯(年間電力消費量3500キロ・ワット時)の賦課金の年間負担は、現在の125ユーロ(約1万3000円)から185ユーロ(約1万9000円)になり、約6,000円の負担増になる。これに環境税などを加えると、年間約10,000円の負担増になるとのことである。
再生可能エネルギー普及のための賦課金がこれほど大幅に上昇する一つの要因は、太陽光バブルである。ドイツの固定価格買取制度においても、太陽光による電力の買い取り価格は相対的に高く、安価な中国製太陽光パネルを使った、太陽光発電施設への過剰投資が起こり、その電力を買い取る費用が増大している。実は、これを受けて、ドイツ政府は、太陽光による電力の買い取り価格を切り下げることと、全量買い取りを廃止することを決めている。しかし、今回の発表は、そうした措置も、現実に全く追い付いていないということを示している。(つづく)
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