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2012-10-08 00:00
(連載)オスプレイが問う日米の「信頼の絆」(2)
高畑 昭男
ジャーナリスト
森本敏防衛相が「米海兵隊の抑止機能が格段に向上し、日本の安全保障にかかわる大切な措置だ」(9月21日)と強調したのも、これらの日米同盟にとって貴重な利点からだ。中国メディアなどがオスプレイ導入に鋭く反発したのも、こうした威力を恐れての反応に違いない。米海兵隊は既にイラクやアフガニスタンなどでオスプレイを実戦に活用し、全世界で約140機を運用中だ。最終的に沖縄も含めて360機を導入するという。それなのに、日本で「安全性」を口実にした一部の反対が続いているのは残念としかいいようがない。
体験搭乗の際に出会った米軍関係者は「既に世界中で使われており、安全性に疑問を感じたことはない。日本に来て初めて安全論争の存在を知った」と、過剰ともいえる日本国内の安全論議に当惑し、顔をくもらせていた。そもそも更新対象となるCH46は導入後40年を過ぎて老朽化が進んでいる。日本の自衛隊もとっくに退役ずみだ。そんな流れの中で、アジア太平洋の安全の要石を支える日本だけが米軍の装備更新を遅らせていていいのか。沖縄県が安全性にあくまでこだわるのなら、早急に普天間飛行場を計画通りに名護市辺野古へ移設し、さらに老朽化したCH46の退役とオスプレイへの更新を急ぐのが筋だろう。
その一方で日本国内では、尖閣諸島などで中国が攻勢を強めている中で、「アメリカは日本を守ってくれるのか」という疑問が一部にある。だが、米海兵隊の手足を縛っておいて「助けてくれ」では、全く筋が通らないだろう。米側も本音では「何という自己チュー(自己中心的な)同盟国だろう」とあきれているのではないか。こんなことでは、装備更新問題以前に、日米間の信頼関係が失われかねない。
MV22は災害救援でも活躍が期待できる。東日本大震災前に導入されていれば、被災者救出や救援物資輸送に威力を発揮し、より多くの国民の生命や財産を救えたと思う。同盟を強化する上で先立つものは、装備の更新以上に心のつながりだ。オスプレイの「安全」に固執するあまり、日米の心の絆が損なわれる事態が心配だ。(おわり)
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