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2012-09-12 00:00
大統領選でオバマを助ける米国の好調な武器輸出
川上 高司
拓殖大学教授
民主党大会が開催され、オバマ大統領が正式に2012年の民主党大統領候補に指名された。すでに共和党ではロムニーが大統領候補として指名されており、支持率だけに着目すれば、ほとんど差がないほどの接戦となっている。アメリカ政治サイトRCPによれば、9月6日現在では支持率がオバマとロムニーともに46.8%とタイである。鍵を握るのは、経済の再生である。
国民の関心の第1は、経済問題、雇用問題である。ギャロップ社の調査によれば、アメリカの失業率は若干改善して現在では8.2%となっている。これには国防企業が貢献していることは間違いない。ニューヨーク・タイムス電子版によれば、武器セールスに関する報告書が議会で作成され、その報告書によるとアメリカの国防産業界は世界中に対して武器セールス攻勢をかけ、2011年には663億ドルを売り上げた。武器の世界マーケットが853億ドルであることを考えると、約78%をアメリカが占めたことになる。ちなみに2位のロシアですら48億ドルの売り上げであるから、アメリカの国防企業の「業績」が圧倒的であることが理解できよう。この663億ドルによって350万人の雇用が生まれたと、オバマ政権は意気揚々である。
大きなセールスは、サウジアラビアの334億ドルである。ボーイング社のF15をはじめアパッチやブラックホークなども調達する。さらにおよそ35億ドルの防衛システムの導入を決めたアラブ首長国連邦やF16を18機購入し14億ドルを費やすオーマンなど湾岸諸国が多い。湾岸諸国が大口取引を決めた背景には、おそらく不穏なイラン情勢がある。
一方アジアでもアメリカの武器の普及が進んでいる。インドは10機のC17輸送機を含めて41億ドルの取引を決めた。また台湾や日本も取引が決まっている。南沙諸島や尖閣諸島問題で緊張が高まるアジア地域ではアメリカの武器のニーズは高まる一方である。事実、最近出されたアーミテージ・レポートⅢは日米間の武器売買を奨励する。ある地域で緊張が高まり、当事国が不安で軍事力を増強する。そんな持続的不安が蔓延するのは、アメリカ国防企業にとって最も都合のいい状況なのだろう。それこそがアメリカ経済の再生、オバマ大統領の再選に必要とされているものかもしれない。
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