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2012-09-06 00:00
中国の新型大陸間弾道ミサイルの衝撃
鈴木 馨祐
前衆議院議員
尖閣、竹島の問題に注目が集まる中、それ以上に我が国の安全保障に影響を与える情報についての報道が先々週ありました。かなり小さな扱いだったので、あまり注目はされませんでしたが、かなりショッキングな情報だったのも事実です。それは中国が新型の大陸間弾道ミサイルの発射実験を行ったというもの。DF41と称される新型のものだった模様で、これは従来の射程11000キロメートルと言われる東風(DF)31Aミサイルと比較しても大幅な射程の延長(一説によれば14000キロ)が実現されているようです。正直想定されるよりも早いタイミングで中国の軍装備の近代化が進んでいると言わざるをえません。
この射程であればアメリカの全土が射程の範囲内に収まることとなります。まだこのミサイルの詳細ははっきりしていませんが、車載型の固体燃料のミサイルである可能性も高く、そうであるとすれば、アメリカとの比較で差を大きく詰める要素ともなり得ます。ここのところ、いわゆるA2/AD(Anti-Access and Area Denial)、すなわち、日本の関係するケースでいえば、アメリカ軍が西太平洋や東シナ海にアクセスしにくい環境を作り、さらには当該地域でアメリカ軍が行動しにくい状況を作る、ということが中国の軍事戦略の基本概念と言われています。アメリカの全土を射程におさめ、しかも発見が困難なタイプのICBMを手に入れたということは、中国にとって非常に大きなステップといえます。
アメリカに安全保障の多くを依存している日本としても、アメリカ軍がこの地域におけるプレゼンスを低下させることは直ちに国益に大きな影響をもたらすことにもなりかねません。実際に戦争になる可能性は低いにしても、アメリカ軍のプレゼンスが大きく落ちれば、中国の安全保障上の脅威は飛躍的に増大し、我が国の外交的な発言力や国際的なビジネス環境に関する仕組みづくりのような点でも中国の影響が強くなる可能性が極めて高くなります。
中国の軍事費の増大は以前から指摘されてきましたし、軍の装備の近代化も指摘され続けてきました。今回DF41という新たな脅威が現実のものとなったことで、対策、対応策を打つために日米に残された時間はいよいよ限られてきたと言わざるをえません。沖縄の問題等、日米の安全保障の問題のほとんどは間接的にあるいは直接的に我が国の安全保障そのものの根幹に関わる問題です。党派を超え、政治全体が、さらには日本全体が危機感を持って臨まねばならない事態にあることを改めて認識する必要があります。
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