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2006-08-03 00:00
「われわれ意識(we-feeling)」の醸成に向けて
長野 晃
会社員
7月26日付けの投稿で、飯塚さやかさんが「東アジアのアイデンティティを育てていく上での基盤とは何か?」という大変貴重な問題提起をしておられる。飯塚さんは、東アジアの独自性である「多様性」が東アジアのアイデンティティを育てていく上での基盤となる、と主張しており、私も同感するところである。しかしながら補足させていただくと、東アジアのアイデンティティを醸成していく基盤は、この地域の「多様性」だけではないだろう。
まず、この地域が一体となって共通の課題に取り組み、問題を解決したときに得られる共通の経験や実績の蓄積が、この地域に属するというアイデンティティを醸成するのに非常に重要だ。地域で協力枠組みを構築し、様々な領域の課題に共同で取り組んでいくことで、信頼感や共通の感情が蓄積される。たとえASEAN+3諸国以外の、インド、オーストラリア、ニュージーランドなどが東アジア共同体に加わっても、この3カ国を加えた形で地域での強い協力関係が作られていればアイデンティティを育んでいく上で阻害はないだろう。東アジアの都市中間層の台頭・拡大によって、特に若者間での大衆文化が浸透し、ある種の共通の価値観が形成されつつあることにも注目したい。
そもそも、「東アジア・アイデンティティ」が何なのか、その意味は明らかではない。しかし、アイデンティティ醸成にはふつう何十年もの時間を要し、それがじっくり醸成されるのを辛抱強く待つしかない。飯塚さんが述べておられるように、アイデンティティを初めから設定し、強制することは不可能である。国家・地域を越えて、東アジア地域において「我々意識(we-feeling)」が醸成されていくためには、地域で協力枠組みをしっかり構築していくことが重要であり、東アジア共同体が構築されていくプロセスで、「東アジア・アイデンティティ」なるものがこれからじっくり形成されていくことを期待したい。
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