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2012-08-28 00:00
自民も悪いが民主の方が10倍悪い
杉浦 正章
政治評論家
どっちも悪いが、民主党の方が悪質度において10倍悪い。この機に乗じて「定数半減」などと主張する荒唐無稽な大阪のあんちゃんは根性が卑しい。選挙制度という政党の生死にかかわるる問題で、政権与党が採決を単独で強行するなどという無謀な対応は戦後例がない。幹事長・輿石東は、まるで関東軍のように独断で突っ走り、議会政治に汚点だけを残しつつある。その狙いはただ一つ。解散・総選挙を少しでも先延ばししようとしているのだ。しかし、首相の解散権は束縛されない。ここまで来たら、野党は訴訟覚悟で臨時国会冒頭解散に追い込むしかあるまい。おそらく司法も少なくとも最高裁は、無効判決は出せまい。終盤国会の展開図は、民主党が8月27日の特別委員会で、自ら提出した衆院選挙制度改革法案を全野党が欠席したまま可決、憤った野党は29日にも首相問責決議案を参院に提出・可決、以降は空転するというものだ。
なぜここにきて輿石以下が突撃を敢行するかだが、答えは簡単だ。成立ではなくて、不成立を狙っているのだ。そもそも民主党案は定数是正に、野党が絶対のめない制度改革を乗せてある。比例区40人削減と一部連用性が含まれている。この制度改革は、通常なら選挙制度審議会の審議を経て提出されるべきものだが、なぜかど素人の輿石が鉛筆なめなめ作った得体の知れない代物だ。ねらいは、これをくっつければ成立不可能となるからだ。なぜ輿石が不成立を狙っているかと言えば、まず今国会での解散回避だ。野党を挑発して問責を可決させ、空転させる。そのまま9月8日の会期切れに逃げ込もうというわけだ。次に「0増5減」の定数是正を実現させないで、秋の解散・総選挙をできにくくする。少しでも遅らせるというのが狙いだ。たとえ「近いうち」解散となっても、国民向けには言い訳が立つと思っているのだ。選挙制度改革といういわば政党にとって神聖そのものである問題を、あまりにも党利党略に使おうとしているのだ。
しかし、果たして最高裁の「違憲状態」の判決があるからと言って、時の政権による解散・総選挙が不可能になるかというと、そうはならない。なぜなら衆院議員の首を切る首相の解散権は、首相に与えられた最高の特権であり、司法の関与の圏外であるからだ。野田も「解散権は束縛されない」と述べている。それでは、総選挙後に頻発するであろう選挙無効訴訟に司法が無効判決を出せるかどうかだが、これも難しい。なぜなら、選挙後新政権は行政行動を起こし、国の統治が始まるからだ。最多で300人が議員資格を失えば、行政権は行使できない。選挙の結果を最高裁が覆すには、あまりにも政治的な影響が大きく、司法はさらなる早期定数是正を求めるのが精一杯だろう。「次回の選挙はちゃんとやってくださいよ」というところだろう。過去2回の違憲判決でも、選挙自体は有効とされている。したがって、輿石の思惑に反して、解散権は束縛されず、その後も無効判決は出せないというのが流れだ。こうした中で、大阪の目立ちたがり屋の疝気筋が、またまた荒唐無稽な定数是正策を打ち出した。
衆院議員の定数を半分の240にせよと主張しだした。馬鹿丸出しの民放のおばさんコメンテーターが、「天才的です」と感嘆の声をあげた。妄言に満ちあふれたコメンテーター史に残る“迷言”だ。この橋下という男は、まるで小学生の「子供国会」より幼稚な発言を繰り返す。うそでも何でも、今だけ目立っていればよいのだ。衆院議員の総数を240人にして、民主党のように100人も政府に閣僚や副大臣、政務官などを出せるのか。過半数をとっても、与党は数十人となり、執行部は空っぽだ。国会運営は全く成り立たない。かつて民主党がマニフェストででたらめ政策を公約した通りの、浮動票狙いの政治路線をまい進しているのだ。各党の反発の中で自民党政調会長・茂木敏充の発言が一番適切だ。「前回の衆院選で、民主党は実現できないことをできるように言いつのり、政権をとった。定数削減は進めないといけないが、具体策がないと何とも言えない」と述べた。まさに浮動票を狙った民主党の選挙戦術を上回る、無責任公約の登場だ。その結果は、小沢チルドレンに代わって「維新ベビーズ」を生み、またまた政治を混乱させるだけなのだ。ここは野田が乗り出して、党首会談を行い、民主党は譲歩して「0増5減」だけを成立させ、その代わりこの国難の時の首相の手足を縛る問責決議案を取り下げ、野田は一歩踏み込んで、臨時国会冒頭解散を確約するというのが、最良の筋書きだ。しかし、与野党とも頭に血が上っていて、難しいだろう。
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