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2012-07-23 00:00
(連載)野田首相はオスプレイに乗って尖閣諸島へ飛べ(1)
高畑 昭男
ジャーナリスト
沖縄の米軍普天間飛行場への配備が決まった米海兵隊の新型垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの第1陣(12機)を載せた輸送船が米軍岩国基地(山口県岩国市)にやってきた。米政府は当初、沖縄へ直接配備する計画だったが、「安全性」をめぐる地元の懸念に配慮していったん岩国基地へ搬入し、安全性を確かめた後に沖縄へ配備するよう修正した。さらに、モロッコや米フロリダ州で墜落事故が続いたため、米政府の調査報告が出るまで試験飛行を自粛することで再調整したのがこれまでの経過だ。
これに対し、山口、沖縄両県を中心とする反対運動は全国に広がる気配で、見通しは険しい。前原誠司・民主党政調会長が現行計画に「党として反対」などと唐突に異を唱えたことで政府・与党の亀裂も露呈し、日米同盟の信頼関係に響きかねない情勢となってしまった。新装備導入に安全性の確保が大前提となるのはいうまでもないことだ。しかし、それが基地反対運動などに政治利用され、配備に支障が生じるようでは日本の信頼に関わる。日本政府は世界の運用実績、技術面を含む安全性、オスプレイの必然性や利点などについて国民に丁寧に説明することが肝要だ。
前原氏は「事故でも起きれば同盟が傷つく」と述べたが、それならなおさらのこと、政府を助けて地元へ足を運び、オスプレイ配備の戦略的意味や同盟への意義などの説得に努めてほしかった。それでも、「安全」に名を借りた一部の反対論を制するには説明だけでは不十分かもしれない。玄葉光一郎外相も「首相も官房長官も民意を軽く見てはいない」と語った。そうであるなら、ここはオスプレイの到着後、野田佳彦首相を筆頭に政府首脳や民主党幹部が率先して試乗し、「安全性の証明」を国民にアピールすべきだろう。ついでに沖縄から尖閣諸島を視察してくれば、オスプレイの航続距離や速度など優れた性能を近隣諸国に誇示する好機にもなるはずだ。
オスプレイは傾斜式回転翼(ティルトローター)を備え、傾斜角度を変えることでヘリコプターのように垂直離着陸ができ、固定翼機として高速飛行もできる。開発のきっかけは、カーター政権下の1980年、特殊部隊とヘリを中心としたイランの米外交官人質救出作戦の失敗だったという。世界で初めてヘリと固定翼の利点を兼備した「夢の多目的機」が長年の労苦を経て実現したといえる。それ以上に日本や在日米軍にとって重要なことは、老朽化した現役のCH46中型ヘリと比べて、最高時速約2倍、航続距離は約6倍、積載重量が3倍になるなど、安全保障上のメリットが多いことだ。北朝鮮の核・ミサイル開発や尖閣諸島などを狙う中国の海洋進出などで、日本の安全保障環境は着実に悪化しつつある。(つづく)
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