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2012-06-17 00:00
(連載)太平洋・島サミットの主眼は、海洋ガバナンスと「良き統治」(1)
高峰 康修
日本国際フォーラム客員主任研究員
5月25~26日に、沖縄県名護市で第6回太平洋・島サミット(PALM6)が行なわれ、日本オーストラリア、ニュージーランド、太平洋の島嶼国・地域に加えて、今回初めて米国からクルーン筆頭国務次官補代理が出席し、大いに注目を集めた。米国が太平洋・島サミットに出席したことは、米国が太平洋における海洋ガバナンスにコミットする姿勢を改めて明確にしたということであり、太平洋・島サミットの意義を一段と高からしめた。
太平洋・島サミットは、「太平洋島嶼国・地域が直面する様々な問題について首脳レベルで率直に意見交換を行うことによって,緊密な協力関係を構築し,日本と太平洋島嶼国の絆を強化するために,1997年から3年に一度開催されている首脳会議」(外務省HP)である。具体的には、そのテーマは、開発とヒューマンセキュリティ、環境・気候変動、災害対策、海洋問題である。PALM6において発表された「沖縄キズナ宣言」でも、これらを協力の柱と位置付けている。敢えて二つにまとめると、「良き統治」(グッド・ガバナンス)と海洋ガバナンスということになろう。
PALM6では、海洋問題における協力内容として、「海洋安全保障」が明記されたことが目新しい。このことと米国の出席が相俟ったせいであろうか、我が国のマスコミでは、PALM6について、対中牽制である、太平洋島嶼国を巡るパワーゲームが本格化した、などとする論調が目立った。こういう論調は、太平洋島嶼国政策の実態を伝えてもいないし、あるべき姿を伝えているわけでもない。
もちろん、太平洋・島サミットが対中戦略と無関係でないことは確かである。しかし、それは、主として間接的な意味においてである。対中戦略で直接的な意味を持つのは、日豪印の大三角形で囲まれた、アジア太平洋地域、あるいは、インド=太平洋地域である。太平洋島嶼国はその南東ないし東に隣接する広大な領域であって、ここに国際的ルールと「良き統治」に裏打ちされた秩序と繁栄を打ち立てることは、日米豪の理念を明確にするという意味合いがある。(つづく)
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