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2012-06-15 00:00
(連載)大飯原発再稼動の判断について(2)
鈴木 馨祐
前衆議院議員
私は、将来的には全世界で原発と化石エネルギーをゼロに出来るのが理想だと考えています。しかし、現段階でそのような決断を下せば、今の暮らしも経済も滅茶苦茶になってしまうという現実も忘れるわけにいきません。また諸外国がそのような動きに賛同するかといえば、その可能性はゼロです。
そのような中で、日本だけが原発を一切動かさなければ、企業や工場、雇用の場は、より安全性の低い原発を多く動かしている中国や韓国に移転していき、そうした国では益々電力需要が大きくなって、さらに安全性が日本のものほど高くない原発を増やすという結果を招くだけです。地球という観点から言えば、わが国の風上の国のリスクをそのような形で増やすことは決して合理的な判断ではありません。わが国の経済や暮らしを犠牲にしても、結局完全な原発リスクゼロという果実は得られないのです。
こうした点一つとっても、いつ大停電が起こるかわからない、電力使用に制限がかかる、といった、「単なる電力事情の悪い国」に自らなろうとしている菅政権以降のこれまでの判断は、まさに一国平和主義のような独善的なものであって、トレードオフがある中で悩みぬいて最善の判断を下すという真剣な政治とは、到底いえないものだったといわざるを得ないのではないでしょうか?
もちろん、安全対策は可能な限り打たねばなりません。しかし、どのような発電でも工場でもリスクゼロというのはありえません。それがなければ原発を稼動すべきないという一部の要求は、明らかに現実からかけ離れたもので真剣な議論を経たものとは思えません。そしてそれと、リスクゼロを目指す、そして安全に対して最大限の努力をするというのは全く別の議論です。安全を、というのは再稼動する場合の大前提であることは言うまでもありません。そうした中で下された野田総理の判断、時間がかかりすぎたなどの問題は確かにありますが、私は大筋ではこれを評価したいと思います。(おわり)
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