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2012-06-14 00:00
(連載)大飯原発再稼動の判断について(1)
鈴木 馨祐
前衆議院議員
野田総理が大飯原発を再稼動する方針を表明しました。私は、日本の経済、雇用、くらしなどを考えれば、安全対策を継続的に採るのであれば、再稼動はやむをえないと考えます。野田総理の方針表明を評価したいと思います。この原発を巡る議論、私もよく演説などをしていると「再稼動に賛成なのですか?」と聞かれたりしますが、おそらく多くのケースで若干の混乱があるのだろうと思います。再稼動に賛成=原発利権、あるいは再稼動に賛成=安全軽視のような短絡的な発想も極めて多いような感じを受けます。
再稼動やむなしと思っている政治家は、別に利権があって原発が大好きで何が何でも動かそうということを考えているわけではありません。人の命はどうでもいいと思っているわけでもありません。今年の夏も電力使用の制限を求められるとなれば、事態は昨年の夏の節電とは全く異なります。一度だけなら、と我慢した企業・工場も、永久に電力使用に制約がかけられ、電気料金が高止まりするのであれば、海外への移転に踏み切るというケースが急増しかねない、そうなれば非常に大きな雇用が失われることにもなります。働く場所がなくなれば生活は崩壊し、治安も悪化しかねない。
そんな中で、政治に携わるものとして、「原発を再稼動しなければ経済や生活の様々なマイナスを永久に覚悟せねばならないがそれでもいいのか」という現実的なトレードオフの中で、苦渋の決断を下しているにすぎません。「原発再稼動に賛成ですか反対ですか?」という質問は、現実の政治的判断のトレードオフという観点からは全く意味がない質問です。政治家の役割は、実現不可能な幻想を振りまくことではなく、長期的に見て最も多くの人の命や暮らしを守れる現実的な判断を責任を持って下すことです。基本的に、原発は有るよりも無いほうが安全に決まっています。それはダムや火力発電所に関しても同じことです。リスクの要因が存在しなければ、リスクは存在しません。
しかし、現在の生活や経済、雇用は安定的な電力供給を基盤として成り立っています。また経済的な問題だけではなく温暖化の問題など、人類社会の持続可能性に非常に深刻なリスク要因が他にも存在してます。こうしたリスクを全体的に判断して政治は決断を下さねばなりません。全てのリスクをゼロにする、ということは現実的に無理で、リスクをなるべく低く出来るような組み合わせを考え合理的な判断をするという、リスクマネージメントが政治には求められています。まさしく長期的なビジョンと共に、現実的な対応が求められます。(つづく)
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