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2012-04-14 00:00
(連載)自衛隊の脱軍事組織化を危惧する(1)
加藤 朗
桜美林大学教授
冷戦後、米軍をはじめ世界中の多くの軍隊が脅威対処型の軍事組織から危機管理型の警察軍的な組織へと変容している。とりわけ2001年の9.11テロ以降は、対テロ戦争の名の下に米軍が世界警察軍(グロボ・コップ)へと変容した。必然的に米同盟軍も米グロボ・コップの補助的役割を担うようになり、アフガニスタンやイラクでいわゆる地域警察軍(constaburaly force)化していった。
結果、米軍やその同盟軍も、脅威対処型の軍隊として台頭著しい中国軍や旧ソ連のような軍事大国の相貌を再び見せ始めたロシア軍に対し、2000年代初頭の圧倒的な軍事的優位を失いつつある。中でも危惧されるのは中国と対峙する自衛隊である。最近の自衛隊は警察軍どころか護憲派が望むような国際復興支援部体や災害救助部隊になりつつあるのではないか。
自衛隊の組織の変質は、湾岸戦争がきっかけである。その時以来極東ソ連軍の抑止を目的とした自衛隊の役割が変容した。自衛隊はグローバル安保の名の下に米グロボ・コップの補助部隊の役割を引き受けるようになった。また1992年のカンボジアへのPKO派遣以降自衛隊は、国際平和協力の名の下に、また非伝統的安全保障という危機管理型の戦略論の後付け理論のお墨付きを得て、積極的に海外に進出するようになった。
こうした海外での自衛隊の国際平和協力活動は2006年の改正自衛隊法第3条によって正式に自衛隊の本来任務に格上げされ、自衛隊は国土防衛という従来の役割とともに国際平和協力という危機管理にも対応する警察軍的機能が付加された。とはいえ憲法9条の縛りがあるために、イラクやスーダンへの自衛隊派遣で明らかなように、実態は警察軍の任務を他国軍に任せる国際復興支援部隊でしかない。(つづく)
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