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2012-03-29 00:00
北朝鮮についての錯覚
鈴木 馨祐
前衆議院議員
北朝鮮が4月に人工衛星の打ち上げという発表をしたようです。人工衛星ということは過去の例を見ても弾道ミサイル実験である可能性が高く、また仮にロケットとしても技術的な互換性は高いわけで、安全保障上大きな問題であることに違いはありません。かねてより、私が持っている懸念は、我が国において、核やミサイルの問題が、拉致の問題ほど「自分のこと」として捉えられていない点にあります。もちろん拉致の問題は政治が責任を持って最優先で取り組んでいかねばなりませんが、我が国の、そして国民の安全を考えれば、核やミサイルの問題もそれと同じくらい重要な問題です。
本来北朝鮮が核を保有し小型化に成功すれば、一番可能性が高いのは信頼性が高く技術的にも相当のレベルにあるノドンミサイルへの弾頭の搭載です。そのターゲットは射程から言っても日本である可能性が極めて高い。また、今回の実験でも噂されているテポドン・ミサイルはアメリカをターゲットとしていると思われますが、その精度を上げることは、アメリカの東アジアにおける軍事行動の意思を鈍らせる目的で行われている可能性が極めて高いわけです。
いずれも、どこの国の安全保障に一番大きな影響を与えるかと言えば、それはもちろん同盟国中国ではなく、韓国でもアメリカでもロシアでもなく、間違いなく日本です。そろそろ本気で朝鮮半島の非核化、WMDの問題に取り組まねば我が国の将来に大きな禍根を残しかねません。そして、武力的手段も、経済的に死活的なものも北朝鮮に対して保有していない我が国としては、北朝鮮とのバイの交渉をしたところで、交渉が進むはずもない。これは拉致・核・ミサイルどれをとってもそうです。我が国としては、アメリカと緊密な連携をし、中国に対しては、中国が北朝鮮へ圧力をかけざるを得ないような状況に追い込む、その二つを着実に実行していくより他に北朝鮮リスクを軽減することはできません。
特にアメリカに関しては、同盟国ではありますが、北朝鮮に対しての危機感のレベル、あるいは自国の安全保障に与える脅威のレベルが全く異なっている現実を我々は直視せねばなりません。我が国が危機感をキチンと持って真剣に問題提起し働きかけをしなければ、アメリカが真剣に動くはずもない。日米同盟は受け身の日本が自動的にサービスを受ける仕組みではありません。この点の認識が今の政権はあまりにも甘いと言わざるを得ない。北朝鮮の独裁者が変わった今、このタイミングで対応を誤れば、通常の場合以上に大きなダメージを国益に与えることにもなりかねません。一刻も早い立て直しが必要です。
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