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2012-02-24 00:00
東シナ海の資源開発を手控える必要はない
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
東シナ海のガス田開発を巡っては、境界線それ自体についての意見の相違、さらには合意に至る前の一方的開発、さらには日本側資源の吸出等々について、日本側は不十分とはいえ、抗議の声は挙げている。しかし、肝心要の資源開発それ自体についてはほとんど手つかずの状態がずっと続いているのはどうしてだろう。両者協議が整うまでは開発を控えると言う紳士協定を守っている、と言う見方もあろうが、日本領海内で日本の資源を開発するのを(いくら海底では中国資源と繋がっているとはいえ)手控える必要がどこにあるのか。何の実力行使もしないで犬の遠吠えよろしく抗議一辺倒ではますます甘く見られても仕方がないだろう。
武断派であるまいし、尖閣諸島に自衛隊基地を建設しろとか、肩に力を入れて実力行使を奨励しているのでもなんでもない。出来ること、やることをしないで空理空論の美辞麗句で事態が変わるほど国際問題は甘くないと言う事実を指摘しているに過ぎない。ことは中国との間に留まらず、北朝鮮の拉致日本人問題にしても、調査依頼を無視されてなんら新機軸を打ち出さないまま、口を開けば抗議抗議で一体何が変わると言うのだろう。中国に関していえば、なりふり構わぬ既成事実作りを外交の基本だと心得ているかのごとき国を相手にしていることを忘れてはなるまい。のみならず、その強烈なエゴの固まりとも言うべき外交姿勢に対して、「中国に学ぶ」(Learning from China.)などと米国の論客が述べるに至っている事実を見過ごしてはならない。
この米国の論客と言うのはワシントンポストのユージン・ロビンソンで、2月17日付けの同紙(電子版)の論稿の趣旨は、「通貨操作、知的所有権の海賊行為、シリアのアサド政権制裁に対する国連安保理における拒否権発動など許し難い態度はあるにもせよ」と言う但し書き付きではあるが、進むべき路線を見定めて猪突猛進する中国の姿勢には米国も学ぶべき点が多いとする。裏返して言えば、日本の外交が追求しているもの(そんなものが存在するとしての話だが)は一体何なのか、ということにもなろう。友愛だ、東アジア共同体だという気恥ずかしい看板は流石に最近下ろしているようだが、国を挙げて追求しているのは一体なんなのか等と言う淋しい問いかけを今更しなくてはならないのはどうしたことか。
資源問題に本気なら、沿岸地域のメタン・ハイドレートなどに逃げ場を求めず、堂々と東シナ海でガスなり石油なりの採掘を始めるべきではないか。それは決して乱を好むものでもなければ、不要の摩擦を挑発するものでもない。国権と国益に対しては一歩も譲らないと言う意思表示の行動に過ぎない。
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