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2012-02-10 00:00
一刻も早くROEを正常なものに改訂すべきだ
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
一体日本にはこれほど人材が払底してしまったのか、と慨嘆したくなるほどの歴代防衛大臣(に限らないが)の体たらくである。が、今回はそれについてではない。スーダンに派遣された日本のPKP部隊を、バングラデシュ軍が警護に当たる、という国会答弁が先日なされたことについて改めて考えてみたい。参考までに、バングラデシュは一人当たりGDPは700ドル未満。日本の無償ODAの対象国である。どうして経済大国日本、軍備の近代化率においては世界でも有数の自衛隊が、バングラデシュ軍に「守って頂」かなくてはならないか。ことは憲法第9条と、それに基づく交戦規定(Rule Of Engagement)にあることは明らかだ。
つまり、自衛隊の武力行使は「自衛」の場合以外は認められない。先に攻撃されて、その攻撃から身を守るための必要最小限の反撃しかしてはいけない、という制約がある。だから、明らかに攻撃の意図を持って、ひたひたと自衛隊駐屯地の包囲が始まろうが、それに向けての(敵性)部隊の集結が開始しようが、それに対する攻撃は認められず、敵からの攻撃があってから、おそらくは自衛隊に被害が発生してからでなくては反撃は認められない。そして、反撃に遭遇した敵が逃走し始めた時にこれを追撃して良いかどうかも極めて曖昧なようだ。こんな残酷な交戦規定のもとに派遣される自衛隊にはお気の毒としか言いようがないし、それでも参加する隊員の平和維持に対する熱意には頭が下がる、としかこれも言いようがない。
「自衛」隊なのだから「海外派兵」はするな、という議論をようやく脱却して、自分が困った時は助けてほしいが、人が困っていても助けない、では通用しない。平和維持への協力は当然の義務だ、という段階まで到達はしたものの、紛争地域の現実を無視した机上の空論に基づいてPKOに、あるいはPKFに参加を決断する政治家も政治家だが、それを放置して「最悪の事態は起こらないだろう」を極め込む官僚の姿勢は「そんな津波は来ない」と決めつけていた態度とどこが違うと言うのだろうか。
人に守ってもらわなければ生存もおぼつかないなどという「縛り」のもとで軍隊を危険地域に派遣する、と言う恥さらしは一刻も早くやめるべきだ。自衛隊を派遣するのだから危険地帯ではない、などという子供だましが何時まで通用すると考えているのかはしらないが、一刻も早くROEを正常なものに改訂すべきだ。自衛隊一個中隊がゲリラの包囲攻撃にあって全滅した、等と言うニュースは聴きたくもない。
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