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2006-07-16 00:00
望ましい三層の協定・共同体構想
四条秀雄
不動産業
7月1、3、6日付けの「CEACコラム」に連載されたジョセフ・キャロン駐日カナダ大使の所論「アジア太平洋共同体構想-カナダの視点」に触発されて、対外資産を多く保有し、少子高齢化する日本にとって、望ましい投資環境の確保を期待する観点から、つぎのような提言をしたいと思います。
(1)ASEANは、大国の影響を受けることなく、独自に行動すべきだ。ASEANが日米中印などの大国のバランスの中で、望ましいルールを形成していくことが、日本の国益になる。逆に、ASEANを東アジア共同体に取り込むと、中国の政治的影響が強まり、好ましくない状況になるだろう。ASEANが自らの力で望ましい投資環境を作り、グローバリズムをうまく取り込み経済的に成功することが、対外開放のモデルケースとなり、日本が他の地域にスムーズに投資をしていく助けになる。
(2)第二の共同体として、アジア版のOECDを作るべきだ。アジア諸国は多様であり、民族主義が高まっている。こういう時には、アジア版のOECDを作って、各国に課題を提供し、各国が他国の課題を相互に認識する仕組みを作った方が、政治的な紛争を排除できる。中国は、民主化を進めることが環境や分配問題解決の必要条件だと認識するべきだし、韓国は、世界史教育の比重を高めることで、民族主義の相対化ができると示唆すべきだ。
(3)日本の外交力は、経済力に依存しているので、EPAを選択的に利用すべきだ。軍事力が制限された日本では、在外資産の安保は、企業の投資戦略に似た形にならざるをえない。相手国に、日本の投資戦略を知らせる多様な方法を開発すべきだ。
このように、「ASEAN共同体+課題設定共同体+選択的EPA」の組み合わせが、日本には最適だと思われる。言語の問題は、これからもっと多くの外国人と接触する中で、中国人や米国人が相対化されるでしょう。今日、大相撲の露鵬の傷害問題で、朝青龍の発言がありましたが、引用しておきたいと思います。「国技なんだし、スポーツなんだから。あんなことをするのはダメだ」と2人に反省を求め、「自分も経験があるからあまり言えないけど、お互いに謝って、これからもいい相撲を取ってほしい」と述べました。中国人や米国人では、同じ認識を伝えるとしても、異なった言い回しになっているでしょう。外国人の中に、アレっ?という印象を与える外国人が、混じってきています。彼らは、外国人というよりも、北海道人や九州人に近い印象を与えます。これは重要なことだと思います。
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