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2012-01-16 00:00
若手の原石に期待を寄せるしかない日本の政治
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
遅ればせながら明けましておめでとうございます。東西南北どちらを向いても、また眼を国内に向けても海外に投じても穏やかならざる予感に満ち満ちている。そんな明け暮れに何がおめでとうだ、と一休禅師ではありませんが、めでたくもなし、というのが正解かもしれません。野田内閣は4ヶ月にして改造です。「最善かつ最強の布陣」という首相の言葉がこれほど空々しく感じられてはいけません。いまさら、ということではありますが信なければ政治は立ち行かない。一連の原子力災害に関する政府コメントを含めて、コトバがこれほど軽く、かつ真実味に欠けるというのは民主党政権最大の罪かもしれません。
それにしても3ヶ月や4ヶ月で大臣たるもの一体どんな仕事が出来るというのか。「政治主導」というコトバの軽さはここでも露呈しているのですが、諸悪の根源は「ねじれ」国会下において通るに決まっている問責決議案なるものを野党との話し合い路線重視の余り、唯々諾々として大臣罷免に連動させる無定見さ(失言・奇行の多い閣僚の資質はさておくとして)に発するのはいうまでもない。それにしても「辞める貴方に落ち度は一切ない。政治情勢がいろいろあってのことだから納得してください」となだめて首を切る首相も首相なら、未練たらたらでその台詞を口にする閣僚も閣僚。
そんなていたらくの民主党に代わって、自民党がどうかというとこれがまた輪をかけたお粗末。いくら年初めの他党向けリップサービスとはいえ、「公明党とスクラムを組んで政権を奪取しよう」とは、自民党は単独過半数を制することは夢のまた夢と諦めたのだろうか。こんなリーダーに率いられていたのでは、これは到底国政を付託する気にはならない、というものではありませんか。なんでも大阪の維新の会も公明党との共闘を宣言したようだけれど、公明党と宗教団体である創価学会との関係、さらには創価学会の指導者との関係はすっかり明らかにされているのだろうか。敢えて触れないままに聖域視している訳でもなかろうが、ことの重大さからいえば「休まず、働かず」の労働組合と民主党との関係以上の危険度かもしれません。
一頃期待の高かった「みんなの党」が、めりはりのついた自己主張をしあぐねて、結果、ブームを巻き起こして一挙に主導権をとる機会を逸しているかに見える昨今、こんな頼りのない政治家たちに頼らざるを得ないというのは暗澹たる心地ではあります。なかでは若手の細野さんの様な原石に期待を寄せるしかないのかもしれませんね。
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