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2011-12-25 00:00
(連載)解鈴还需系鈴人-ポスト金正日総書記の北朝鮮の行方(3)
李 鋼哲
教授
筆者はかつて北朝鮮は中国式の改革・開放で変化する可能性が大きいと考えていた。そのような論文もたくさん書いたことがある。しかし、その後の国際政治を考察すると筆者の考え方は幼稚で甘かったことが今ではよくわかった。かつて、中国が改革・開放政策に大胆に踏み切ったのは、米国との国交正常化、日本との平和友好条約締結、ソ連との関係改善など、外堀をしっかり埋めてからのことであることを思い出す必要がある。それにしても、天安門事件が発生すると、外部勢力(帝国主義勢力)が内部勢力と結託して中国を資本主義に変質させるとの「トラウマ」のなかで、当局の保守派勢力が台頭し、改革・開放政策を停めようとした。その故、鄧小平の「南巡講話」が行われそれに釘を刺し、その後本格的な開放が進められ、中国が一気に変わってきたのである。
北朝鮮当局の立場からすると、体制が崩壊することは一番怖いことであり、それが外部勢力によって(米国などの武力侵攻も含めて)行われる危険性が非常に高いと判断したのである。だからこそ、彼らは強気で米国に対抗し、韓国や日本に対抗しているのである。「弱い犬は吠える」とは正にそのことを言っている。弱いからこそ、自分を強く見せたい「歪んだ心理」が働くことは世の中によくあることである。このような「歪んだ心理」を持っている「虐められっ子」に対して、外部勢力が強く当たれば当たるほど、当事者は心を更に強く締めてしまい、自分ではその状況から抜け出せなくなるかもしれない。
「北朝鮮は崩壊する」と、この20年間、日本や世界の多くの人々は予測していた。しかし、その予測は少なくとも現在までは当たっていない。これからも当たらないかもしれない。外部勢力が強気で出れば出るほど、北朝鮮の国民は強く結束するのである。政権が如何に間違っていても、仮に飢餓に喘いでいても、死んでしまっても、帝国主義や外部勢力にやられたくないというのは多数の国民の考え方である。いや、そのように60年間も教育を徹底しているのである。
北朝鮮現体制を「崩壊」させ、正常な道を歩むことを望むのであれば、外部の糸を緩めることが不可欠である。仮に緩めたとしても、当事者は変わるか変わらないかは判断できない。しかし、それは必要不可欠の必須条件であることは間違いない。その命綱を握っているのは米国である。米国はそれを緩めるだろうか、それが米国の国益になるだろうか。それは日本にとって、中国にとっても言えることではないだろうか。(おわり)
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