ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2011-12-24 00:00
(連載)解鈴还需系鈴人-ポスト金正日総書記の北朝鮮の行方(2)
李 鋼哲
教授
もう一つの抜け穴は、北朝鮮問題を観察するときに周辺大国との関係のなかで見る視点があまりにも物足りないと感じる。もちろん、中国の影響力などについては注目する人もいるのはいる。しかし、北朝鮮問題の本質は米朝関係であると筆者は看破しており、それについて多くの識者は見逃している感じがする。筆者は本投稿タイトル「解鈴還需系鈴人」(鈴を解くのは鈴を結んだ人」でその問題を答えたい。
朝鮮戦争やそれ以降の朝鮮半島の情勢の変化を読むとき、米国が常にキーパーソンであることを見逃しては、問題の本質を掴めなくなる恐れがある(日本問題を理解するにも米国の政策を抜きには不可能であると筆者は見ている)。金日成が起こした朝鮮戦争の形勢を逆転させたのは米国である。「停戦協定」を結んだのも国連側では米国である。「停戦協定」後に外国の駐留軍を撤退すると約束して、中国の支援軍は約束通り撤退したにもかかわらず、駐韓国米軍を維持したのも米国である。その後は中ソ両国によって、北朝鮮は安全保障問題を心配なくても済んだ。
90年代にソ連が崩壊し、中国が韓国と国交正常化したら、北朝鮮は孤立無援の状況に陥る。日朝関係の正常化と米朝関係の正常化を「喉から手が出る」ほどほしがっていた金日成は、それが実現されず、米国の脅威(もしくは米韓日からの軍事的脅威)から自分の国を守るために核開発に走り、金正日は「先軍政治」に走る。それは米国に対する朝鮮戦争の記憶から来る恐怖、イラク戦争からの恐怖から来る教訓をくみ取ったうえでの北朝鮮当局としての「合理的な判断」にほかならない。
筆者はかつて、北朝鮮は周辺大国から孤立した「虐められっ子」であり、その故に恐怖の中で戦々恐々しながら国を守るために必死になっている、とある論文で指摘したことがある。「停戦協定」を「平和協定」に切り替えるべきだと、北朝鮮は国連の場で、6者協議の場で必死にアピールしている。筆者は、平壌の幹部たちの話でもそれについて確認できた。しかし、米国はそれに応じようとしない。なぜなら、朝鮮半島が安定したり、統一したりすることは米国の国益にならないからである。米国の東アジア戦略は敵を作って、対立や対峙関係を維持して(ディバイド・アンド・ルール)、日本と韓国を安保上でコントロールすることができる。それにより自分たちの影響力を行使でき、強いて言えば武器の商売もできる。(つづく)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会