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2011-12-24 00:00
(連載)国民との「絆(きずな)」づくりを忘れた首相(2)
高畑 昭男
ジャーナリスト
今月10、11日に行われた産経新聞社とFNNの合同世論調査、読売新聞、朝日新聞の世論調査では、野田内閣の支持率と不支持率が三者そろって初めて逆転し、産経調査では不支持率が過半数の51.6%に及んだ。問責閣僚については「辞任すべきだ」の回答が一川氏80%、山岡氏が73%(産経調査)にのぼり、読売調査でも両氏とも過半数に達した。朝日調査では、両氏の続投を決めた首相の対応を「評価しない」が59%あった。「続投決定」の背後には、民主党内の小沢一郎元代表のグループへの「党内融和」の配慮が取りざたされた。
だが、もしも首相がきっぱりと一川、山岡両氏の更迭に踏み切っていれば、大多数の国民の共感を得られたのではないか。党内力学上の損失を補ってなお余りある国民世論を味方にできたのではないだろうか。そう思うと残念でならない。政治指導者が「党よりも国民」を選び、国家全体の利益を最優先する姿勢を率先して示してこそ、国民との信頼関係という絆が生まれるはずだ。政治制度の違いはあるが、かつてサッチャー英首相、レーガン米大統領は与党内の融和よりも、広く国民の信に答えるために政策の断行に力を注いだ。小泉純一郎元首相も、党内の反対を押し切って郵政解散に踏み切ったことで、有権者の信任を獲得したといえる。
もう一つ、首相に望みたいことがある。就任3カ月も過ぎたのに、一度も沖縄を訪問しようとしないのは何故かという問題だ。普天間を移設することによって現在地の危険性は除かれ、日米同盟の抑止力が維持強化される。並行して行う海兵隊のグアム移転や嘉手納以南の米軍施設返還と併せて、地元基地負担は大幅に軽減される。日米両政府が「最善の解決」として合意した現行計画に沖縄の理解を得られない理由は、鳩山由紀夫、菅直人元・前政権の迷走も大きいが、今の政権を預かるトップの野田氏が自ら沖縄に足を運び、地元の人々や仲井真弘多知事らと心の絆を結ぼうとしないからではないのか。
野田氏には「泥臭く汗をかき、ドジョウの政治をとことんやり抜きたい」と語り、初の所信表明では「正心誠意」を掲げた。その初心に立ち返ってほしい。「今年の漢字」をかみしめて沖縄を含む国民との絆を再構築することが同盟の絆を固めることにもなると思う。(おわり)
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