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2011-12-23 00:00
(連載)解鈴还需系鈴人-ポスト金正日総書記の北朝鮮の行方(1)
李 鋼哲
教授
北朝鮮(DPRK)は指導者金正日総書記の死亡により17年間の世襲第2代独裁政権が終焉し、世襲第3世代の金正恩氏の時代が始まろうとしている。日本や各国のマスコミは敏感に北朝鮮の動向を報道し、「専門家」は北朝鮮の今後について様々な推測、予測、分析している。もちろん、専門家であるのでそれなりの論理や分析の妥当性があることを否定しがたい。しかし、それらの議論を見る限り、二つの決定的な抜け穴(盲点)があり、北朝鮮の動向を判断するときに、一面的な判断または判断ミスに陥りやすいと感じざるを得ない。
一つは、大概の論者は自分の目で北朝鮮を見たことがない。「百聞は一見にしかず」とは小学生でもわかる諺である。「虎穴」に入ったことがなく、当事者たちと皮膚を摺合せながら彼らの気持ち、考え方を知り理解しようとする人はどれぐらいいるだろうか。ほとんどの場合は二番手の資料や他人の体験話を聞いて議論している程度に過ぎない。
筆者は90年代初頭に日本に来てから「豆満江国際開発」に関する研究を始めていたので、羅津・先鋒自由経済貿易地帯に頻繁に足を運んで現地調査をしたことがある。2002年4月には平壌から金日成主席誕生90周年の祭りに招待され、労働党の某中枢機関との交流もしたことがある。筆者は向こうに入ったら「朝鮮人」に成りすますことができるので本音での交流も可能であり、実際に労働党幹部といろんな会話をして彼らの考えていることやりたいことを実感をもって理解することができた。主席誕生お祝い「中央大会」では金正日総書記はじめトップリーダーが全員出席していたので、会場の席で肉眼で金正日の挙動や会場に集まった数千人の動静を漏れなく観察・体感することができた。祝賀報告も肉声で聞くことができ、権力中枢での催しの営みの雰囲気も心得ることができた。
その年の7月に東京財団でわれらの研究チームの「北東アジア開発銀行」設立に関する研究報告と政策提言を福田官房長官に面会して15分間ブリフィングを行い、小泉首相宛に政策提言を進呈したことがある。9月に小泉首相の訪朝が実現されているので、それへの期待は大きく、自分たちが「先遣隊」になった気分になって興奮したこともある。残念ながらその後は「拉致問題」と「核開発疑惑」問題で形勢は逆転してしまった。(つづく)
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