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2011-12-13 00:00
(連載)京都議定書はもはや温暖化対策の障害である(2)
鈴木 馨祐
前衆議院議員
京都議定書をはじめとして、省エネを馬鹿正直に進めている国に負担を負わせて、環境先進国がバカを見るというやり方はそろそろ限界を迎えているといっていい。現在の京都議定書で削減義務を負う国の世界全体のCO2排出量に占める割合が3割にも満たないという状況からすれば、「京都議定書はもはや抜本的問題解決を先送りするからくりにすぎなくなってしまっている」と言わざるを得ません。
各種試算で、日本の各産業セクターにおけるエネルギー効率、エネルギー原単位を分析すると、日本の技術をはじめとした最先端の工業技術を、新興国をはじめ世界各国が導入すれば、それだけで温暖化問題の大半は解決することは数値で明らかになっています。導入コストの負担の議論は別途するにしても、こうした科学的アプローチにキチンと重点を置く方向に転換せねば、地球温暖化問題は悪化する一方です。新興国が削減義務を負うことなくして温暖化問題の改善はあり得ません。そんな状況下で一部先進国だけが削減義務を負って、結果としてそれらの経済が疲弊し更なる環境技術のイノベーションが滞れば、温暖化対策には却って逆効果にすらなりかねません。
もちろん今後の交渉力を考えれば従来合意した範囲内の義務は排出権を購入してでも達成せねばなりませんが、温暖化対策を我が国として真剣に推し進めるためには、もはや抜本的問題解決の先送りのからくりでしかない京都議定書の枠組みは2012年で廃止し、間違っても延長などするべきではありません。
今後の温暖化対策枠組みのあり方を考えれば、温暖化という危機に本気で立ち向かうためには、基準年の問題、削減を原単位でやるかどうかなど、「科学」的アプローチをしっかりと反映した枠組みに変えていく必要があります。場合によっては実効性あるこうした枠組みを実現するためには、我が国としても、カナダ同様の苦渋の選択も含め検討せねばなりません。国際交渉は科学的に正論を言っていれば正しい結論になるものでもなく、結局は「政治」がものを言います。温暖化の抑制という大義を実現するためには、肚をくくることが必要です。そしてその際には当然中国等から為にする批判がされると予想されますので、意図を誤解させないために国際的にキチンと目指す方向性等について発信しておくことが極めて重要なことは言うまでもありません。(おわり)
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