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2006-07-10 00:00
カナダの外交政策への注文と期待
秋月敬吾
政治研究所研究員
7月1日より6日まで「CEACコラム」に3回にわたり掲載されたジョゼフ・キャロン駐日カナダ大使のコラム 「アジア太平洋共同体構想-カナダの視点」を、私も他の投稿者と同様、大変興味深く読みましたが、このコラム記事は、同大使が日本記者クラブで行った講演のテキストとのことでありますので、日本人の一人として奇異に感じたことがあるということを、一つだけ指摘したいと思います。それは、この講演が日本人の最も関心をもっているある重要な問題について、全く言及していないことです。
それは、カナダは、日本がアジアのみならず世界においてより重要な役割を果たす上で是非実現したいと念願している国連安全保障理事会の常任理事国入りに一貫して最も強硬に反対している国の一つであることについて、その理由を全く説明していないことです。キャロン大使は、日本人が不快感を抱く問題に触れるのはあえて避けられたのかもしれません。しかし、ミドル・パワーとして国連の場においてこれまで国際の平和と安全の維持の面で極めて重要な役割を果たしてきているカナダが、国連改革、とくに安保理改革に無関心、あるいは消極的であってよいはずはありません。それにも拘わらず、カナダが日本の常任理事国入りに強く反対しているのは何故なのか、お訊きしたいと考えているのは私だけではないでしょう。小泉首相の最近のカナダ訪問の際の首脳会談においても、小泉首相がハーパー首相に対し安保理改革問題について好意的考慮を要請したのに対し、カナダ側からは何らの好意的な返事も得られなかったと聞いています。カナダとしては、常任理事国の増加は自国の地位の相対的低下をもたらすとのイタリア等と同様の狭い「国益」から反対しているのか、と勘ぐらざるをえません。
私としては、カナダが国際社会において占める責任と影響力には極めて大きなものがあると信じるものであるがゆえに、また日本とカナダの相互信頼と協力は、両国にとってアジア太平洋協力の枠組みを超えて、世界的な資産であると考えるものであるがゆえに、カナダ政府が是非とも国連安保理改革、とくに常任理事国の増加問題について、これまでの政策を再考し、少なくとも日本の常任理事国入りについて早期に明確な支持を表明してくださるよう強く期待しております。
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