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2011-12-12 00:00
(連載)京都議定書はもはや温暖化対策の障害である(1)
鈴木 馨祐
前衆議院議員
永田町ではすっかり忘れて去られてしまっているようですが、南アフリカのダーバンで温暖化対策の枠組みを議論するCOP17が開催されました。延び延びになっている京都議定書の期限が切れる2013年以降の枠組みを巡る重要な会議です。報道ではカナダが京都議定書からの離脱を決めつつあるといったことも言われています。またそれに対して、自らは温暖化枠組みで義務を負うことを全く拒否している中国が新華社を通じて非難する声明を発するなどいろいろな動きが出ているようです。
ここで一度、温暖化を巡る問題を事実関係を含め簡単に整理しておきたいと思います。まず、様々な議論がありますが、「人為的な温室効果ガスの排出の影響で地球の温暖化を進めてしまっている」可能性は極めて高く、早いうちにこのペースを緩める対策を講ずることができなければ様々な問題が生ずるリスクが極めて高いという現実があります。そうした中で、人類社会を持続可能なものとするためには、少なくとも将来的に450ppm程度のレベルで二酸化炭素濃度を安定化させられる様な道筋を考えていかねばなりません。そうした中で出てきているのが、2050年までに世界全体で温室効果ガス排出量を50%削減することが必要、という目標です。
ここまでは「科学」の議論であり、基本的にはコンセンサスを得ることがほぼできている状況にあります。そして、問題はこれからです。簡単に言えば、この必要な削減量を「誰が」「どのくらい」負担をするのか、という問題です。「科学」的にアプローチするとすれば、(1)今後どの程度の経済成長が世界的に見込まれるのか、(2)それを加味した上で、現時点での最も高い水準の技術を世界中で導入した場合どの程度の削減ができるのか、(3)それでも足りない部分について必要な技術革新を促す資金面研究面のインフラをどのようにして整えるか、という点をクリアにすることが必要です。
一方で「政治」的なアプローチとしては、それぞれの国がなるべく自国の負担を減らすために政治力で負担の押し付け合いをし結論を得る、というやり方があります。残念ながら、京都議定書も含め、今のところのアプローチはあまりにもこの後者の「政治」的アプローチに偏りすぎている傾向にあるというのが実態です。そして、それはすなわち、温暖化対策がほとんど実質的に進んでいないということであり、今年の二酸化炭素排出量の伸びが過去最高という事実からもこの点は明らかです。(つづく)
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