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2011-12-07 00:00
基地問題処理には辺野古案しかない
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
「いつまでも残って消えぬ鳩の糞」(千葉県 安延晴彦・朝日川柳・12.2朝日新聞朝刊14面)には笑った。笑っていて良いものではないのだが。防衛省幹部の暴言問題は、オフレコの酒席で出た話をトップ記事にする新聞社の感覚にはいささかついてゆけないものを感じるが、さりとて内容が内容だから、正面切って議論するのもそれこそ「口が汚れる」思いだという人も多かろう。防衛大臣問責だ、などと問題解決に何の役にも立たない手垢のついた政治手法を持ち出してくる感覚はともかくとして、基地問題の解決には選択肢は限られているというべきだ。
一つは県内移転。辺野古であるか、メガフロートなどの代替案かは別にして、これまで通り沖縄県民に基地負担の大半を背負って頂くということだ。今ひとつは県外移転。これに対して受け入れの意向を表明したのは橋下大阪知事(当時)のみ。具体的には関西国際空港案が検討されたやに聞き及ぶ。目下野田政権は「日米合意に基づき」県内移転一直線で、なんとか鳩の糞害以前の状態にまで揺り戻そうと懸命だ、と見て良いだろう。
負の外部効果を伴う公共施設については、その必要性について万人が納得する場合でもなお、ウチではなく、どこかヨソに(Not In My Back Yard : NIMBY)作ってほしい、というのはどこにでも見られる反応だ。何も軍事基地に限った話ではなく、ゴミ処理施設でも、火葬場についても全国で頻発している事態であるのは周知の通り。さればこそ基地問題については既成事実が重みを持ち、経済活性化だ、地域振興だの美名に隠れて見て見ぬ振りを続けてきた、という側面がある。しかも、細心の注意を払って負担の偏在に対処してきたかというと、全くそうではなく、地位協定における軍属の扱いに見られるように、むしろ現地感情を無視し、臭いものには蓋、といったお役所の対応が目立ったことも、鳩の糞ほどではないにしても、問題をこじらせる一因であったことは確かだ。今回の暴言問題もその延長線上にある。
さてそれではどうする、ということになると、今回の問題処理については辺野古案しかないように思う。橋下さんの提言については近畿地方の知事さんたちはこぞって反対したようだし、現時点で問題提起するのは非現実的だろう。中長期的にはぜひ検討の俎上に載せなくてはならない問題だとは思うが、今回の解決策にはなるまい。堪え難い騒音とか事故の可能性、そういった受忍苦痛の内容を少しでも軽減するプラクティカルな知恵もまだまだ不足している。厳冬期の東北の仮設住宅で、結露のためにストーブが使えないなどという「お役所仕事」が基地問題についても山積しているであろうことは想像に難くない。
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