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2011-11-30 00:00
(連載)米国衰退論は時期尚早(2)
岡崎研究所
シンクタンク
現在の中国も、共産党という「公」なるものが全てを決め、全ての功績を独占していますが、それは全ての責任を背負い込むということです。そして、政策の失敗は、平和的な政権交代ではなく、暴動と、それに乗じて登場する新王朝の「革命」によって贖われてきたのが中国の歴史です。
西側経済の苦境を前に、中国の一部は「中央集権は民主主義に勝る」と誇っていますが、一党独裁の集権制は、決定は速くても、現場がその決定を表向きだけ実行して結果が伴わないことも多く、その実例が相次ぐ鉄道事故と言えます。また、中国のモノづくりの費用も増加しており、「西側への輸出基地」としての中国の意味は落ちています。そこで、今後の中国経済の成長は、建設と消費への依存を一層強めることになるでしょうが、いくら人口が多くても、内需が急速に拡大するわけではありません。
他方、米国も、確かにイノベーションの面ではまだ強いものの、基幹産業がなく、金融は化けの皮がはがれ、ITは外注が主、というように、十分な雇用を生んで中産階級、大衆を潤わせるような経済構造が失われています。また、ナイ教授は「米国には世界がついている」と言っていますが、その世界は、中国への輸出量が増えるにつれて、中国に個別撃破されていくかもしれません。米国自身、「国債の大顧客」である中国に対しては切っ先が鈍くなっています。それに、米国はあまり平等でも豊かもなくなって、魅力が薄れてきており、ソフトパワーは米国から去りつつあります。
そうした中で、日本としては、安全保障・外交両面で台頭する中国に対するバランス確保の手当を着実に続けていくしかなく、米国没落論を真に受けて動揺すべきではないでしょう。ただ、1971年ドル危機の時と同様、米国は世界における軍事プレゼンスを縮小するかもしれず、そうなった時に世論が迷走しないよう、対策を考えておくべきでしょう。(おわり)
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