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2011-11-25 00:00
(連載)オバマ政権の対中国包囲網づくりが始まった(2)
高畑 昭男
ジャーナリスト
具体的には「前方展開外交(Forward Deployed Diplomacy)」と称して、(1)2国間同盟の強化、(2)中国など台頭国家との協力、(3)アジア太平洋の地域機構(例えばEAS)に関与を強める、(4)貿易・投資の拡大、(5)広範囲な軍事プレゼンスの形成(豪州との米海兵隊常駐協定)、(6)民主主義と人権の推進-を行動指針にするという。インドの存在も重視し、日米印対話などを通じて南西アジア安定の基軸と位置づけていく構想も示されている。
もう一つ、長官の論文やオバマ氏の演説などを通じて注目すべき力点は、「中国との協力」のあり方である。中国には、責任ある大国としての行動と国際秩序への支持と協力を求めていく。しかし、中国が国際ルールを守らずに無理を通そうとするならば、問題行動を封鎖するための柔らかな包囲網を形成していく決意と戦略と読むことができる。今回、オバマ大統領がとった一連の外交はまさにそれに相当すると思う。
東アジアサミットへ向けた大統領の歴訪では、用意周到な手を打ってきた。オーストラリアを訪問して米豪海兵隊常駐協定を発表し、バリ島に入ってからもユドヨノ・インドネシア大統領との会談で、同国への最新型F16戦闘機供与計画を発表した。民主化の努力を始めたミャンマーにはクリントン国務長官を訪問させる(12月)。ハード(軍事合意)とソフト(訪問外交)を巧みに織り交ぜた手段で機先を制してきたため、中国は例のない守勢に立たされ、東アジアサミットでは「南シナ海」問題で四面楚歌の状態に追い込まれた。
海洋安保問題では、参加18首脳のうち16人が発言したことが象徴的だ。オバマ氏は「武力行使や脅迫は容認できず、多国間協議で解決すべきだ」と求めた。中国の温家宝首相は「議論する適切な場ではない」と部外者の介入を拒んだが、東南アジア諸国の大半は米国に同調したという。中国が今後も根本的に姿勢を改めなければ、対中包囲網はさらに拡大するだろう。南シナ海だけでなく、日本の国益や平和と安全に直結する東シナ海でも対中包囲網を築くための主体的戦略を練っていく必要がある。その第一歩は米軍普天間飛行場移設問題の解決であり、日米同盟の強化であることはいうまでもない。(おわり)
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