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2011-11-02 00:00
(連載)虎穴に入らずんば、虎児を得ず-日本人の中国観を論ずる-(2)
李 鋼哲
教授
本年2月18日に本欄にて、小職は「『戦略なき国家』『頭脳なき国家』の悲劇」という論評を書いたことがある。戦略がないのは戦略を研究する能力のある頭脳集団が欠如しているからである。中国には日本研究をする一流の頭脳が数百名、数千名いる。日本では中国研究をする専門家は数えるほど少ない。それもほとんどは本とかテレビとか、欧米の論評を読んで自分は中国研究者だと錯覚している人が少なくない。韓国に度々行くと「中国研究」するという人々と国際会議やプライベットで遭遇するが、多くの人は米国留学帰りで、中国に対してほとんど無知であることをずくずくと感じてしまう。日本は韓国よりはましであるが、それでも素人の論評が多すぎる。
中国に関して「共産党独裁」や「民主化」に対する見解、「民族問題」や「ネット世論」に対する見解などを見ると、どれ一つとっても本質からほど遠い傍論にすぎない。「中国共産党」やその統治能力に関してどれくらい知っているのか。見てみると無知に等しい。「旧ソ連やリビアなど独裁国家が崩壊したから中国の独裁もいずれ崩壊するかもしれない」という論理は全く実態を知らない議論である。
筆者も「共産党独裁」はいずれか崩壊するか変わるだろうと推測している。しかし、中国の頭脳陣はソ連崩壊の歴史や原因を分析しつくしている。「天安門事件」以来、または旧ソ連崩壊以来の中国の対外・対内政策は旧ソ連の教訓を深く認識してのものであることを日本の「中国研究者」はどれくらい知っているだろうか。中国のトップ・リーダーたちは、もしかしたら世界で最も「民主化」していると言えるかもしれない。9人の政治局常務委員は序列はあっても絶対的なトップはいないのである。重大な国策は9人が認識を揃えた時に生まれるのである。
9人常務委員を含めた数十名の政治局委員は毎月に国内外の有数な各分野の専門家を招いて国外内情勢に関する勉強会をしていることは、どれくらい日本で知らされているのか。私の同窓生も中国人民大学の著名な憲法学者であるが、1990年代に李鵬首相に招かれて講師を務めたことがあると聞いている。日本の有数の企業家は中国政府のいろんな分野の顧問役として活躍しているが、日本の中国研究者は中国でほとんど影響力がない、と筆者は観ている。中国研究者に「虎の子を捕るために虎の穴に入る」ことをお勧めしたい。(おわり)
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