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2011-11-01 00:00
(連載)虎穴に入らずんば、虎児を得ず-日本人の中国観を論ずる-(1)
李 鋼哲
教授
日本人の中国に関する論評を読むたびに、心痛く感ずるところが一つ、いやそれ以上ある。つまりほとんどは中国現実の表面(外から)しか論究できていない傍論である。もちろん、傍論も必要であることは言うまでもない。しかし、本質を掴めない傍論だけでは研究対象に対する判断を誤りかねない。したがってそれに基づいた政策判断は国家の戦略や政策を誤りかねない。この投稿欄で読んだ岡崎研究所や山下英次氏の論評を読むと、「対岸の火事を観る」ような論評にしか思われない。
『孫子兵法』には「己を知って彼を知れば百回戦っても敗けない」(知自知彼,百战不殆)という諺があることは日本人はみんな知っているはず。日清戦争で小さな日本が大清帝国に勝ったのは、明治維新以来(もしかすると遣隋使、遣唐使以来と言えるかも)の日本は中国をよく研究し知り尽くしていたかもしれない。逆にかつての中国は帝国の尊大さのゆえに日本のことに対してほとんど無知であったから、相手の戦法を知るすべもなく、散々負けたのである。
今の日中両国の相手に関する認知度はどちらかといえば、日清戦争の時代と逆転しているような気がする。改革開放以来、中国の若手知識人は日本に大量に留学してきて、現在は日本の教育や研究分野の隅々までに中国の研究者がいる。筆者もかつて日本の国策研究機関で政策研究に携わったことがある。また、多くの研究者が日本を「知り尽くして」中国に帰り、中国の頭脳集団になっている。彼らはいつも冷静に、的確に日本の一挙手一投足を分析し政府の政策指針に影響を与えている。虎の穴に入った、または入ったことのある中国の頭脳集団は相当数いる。
これに比べて、日本はどうなのか?日中交流が自由になってからの30年あまりに、日本の中国研究者はどれくらいに相手の「虎の穴」に入って、相手の人々と皮膚を摺合せながら(裸の仲間になって)中国の研究をしたのだろうか。中国人の気持ちをどれくらい理解しているのか。甚だ疑問である。(つづく)
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